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ハッピーアワーのビールに換算

求人を検索するのが趣味だ。業務の一環として他社の求人動向をリサーチするという大義名分はあるのだけれども、たとえ採用業務を担当していなくとも、暇さえあれば求人を検索して、あれやこれやと思いを馳せてしまう。

最近見つけて震えあがったのが、一般事務の職種での求人に「体育会系大歓迎!」と記載されていたもの。一般事務の仕事に求められる体育会系の要素ってなんだろう。銀行まで猛ダッシュで行くとか、注文したコピー用紙(500枚×10冊入)が届いたら決して床を滑らせることなく担ぎ上げて15秒以内に所定の場所まで運ぶとかだろうか。「アットホームな職場です。」とのことだけれども、体育会系を求める職場がアットホームなわけがない(個人の見解です)。体育会系を求める職場は総じてブラックな企業体質で、離職率が驚くほど高いと相場が決まっているのだ(個人の見解です)。選考に50メートル走とか反復横跳びがあるのかと思いきや、一般常識の筆記試験と面接で選考するらしい。体育会系の要素は自己申告と醸し出す雰囲気で判断されるということなのか?「体育会系大歓迎!」と書かれた求人にわたしのような体育2の者はまず応募しようとは思わないので、応募してくる段階で一定の体育会系の要件はクリアしていると判断されるのだろうか。わからない。まさか令和6年にもなって「体育会系大歓迎!」を掲げる求人を見つけるとは。字面が怖くて泣いてしまう。そもそも体育会系ってなに?

法律事務所の事務の求人で「法律事務所経験者を募集しています。未経験でも丁寧に指導いたします。」と記載されているものもあった。え?「法律事務所経験者の方は歓迎いたします。未経験でも丁寧に指導いたします。」に記載を修正してはいかがかなと思わずにはいられない。法律事務所経験者に限定すれば応募者が集まらないことが心配で「未経験でも丁寧に指導いたします。」の文言を追記したのかもしれないけれども、切れ味の悪さにもやもやしてしまう。応募者を限定したいのか、応募の間口を広げたいのか、はっきりしてくれい。書類選考というステップがあるのだし、個人的には「法律事務所経験者の方は歓迎いたします。未経験でも丁寧に指導いたします。」として応募の間口を広げる方向をオススメしたいけれども、わたしには何の関係もないことなので、ほんとうに余計なお世話であることよ。若手弁護士が立ち上げた法律事務所とのこと、「若手」という言葉が怖い。なんとなく35歳以上の方はお断りみたいな排他的な空気が感じられて怖い(被害妄想がひどい)。

カラテア・サンデリアーナが次々に新しい葉を出してきて見ごたえがある。もう求人の話はしていません。そうそう、去年の12月に我が家にやってきたカラテア・サンデリアーナ。深い緑色の葉にピンクのライン模様が美しいカラテア・サンデリアーナ、つやつやの葉っぱが妖艶で神秘的なカラテア・サンデリアーナ、新入りなのに最初から女王の貫録だったカラテア・サンデリアーナ、葉っぱの裏側は紫色で夜になると葉を閉じるらしいカラテア・サンデリアーナだ。

春先に葉先が次々に茶色くなってしまい、このまま枯れてしまうのかと一時は絶望の淵に立たされていたのだけれども、陽当たりのよい窓辺に置いて、毎日せっせと葉水をし、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしていたら、新しい葉っぱが次々と出てきていることに気がついた。茎だと思っていた部分に、ある日突然「実はくるくるに丸まった葉っぱでした」みたいな感じで新しい葉っぱが現れるのが面白い。新しく出てきた葉っぱが茶色くならないように、朝と夜に葉水をする過保護ぶり。飼い主のわたしはすでに夏バテ気味だけれども、カラテア・サンデリアーナにはどうか強くたくましく女王らしい艶やかさで夏を乗り越えて欲しい。

「かき氷食べたくない?」と提案されたけれども「え、かき氷1,300円って高くない?1,300円ならハッピーアワーでビールが4杯飲めるよ?」とスイーツよりもビールな姿勢を貫いたら、その一貫した姿勢はさすがだね、あなたをかき氷に誘ったことが間違いだった、と褒められた(のかな)。もうカラテア・サンデリアーナの話はしていません。かき氷ならわたしはサクレで十分なのだ。

頂き物の焼酎(一升瓶)を、ロックでちびちび飲んでいたら一週間と持たずに呑み切ってしまった。み、水だったのかな。「体育会系大歓迎!」も「若手」も、1,300円の強気なかき氷も怖いけれども、一番怖いのは他でもないわたし自身なのかもしれない。

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