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何度でも読み返したいnote3

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの3も記事が100本集まったので、4を作りました。
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#一歩踏みだした先に

蝉が鳴き止む頃、僕は兄じゃなくなった

兄じゃなくなったわけ 2人の弟。 彼らとは、20年近く会話といった会話を交わしていない。 喋らなくなった原因が何であったか? お互いに避けるようになった理由が何であったか? 正直、全く覚えていない。 1つ覚えていることは、夏休みが終わろうとしている頃、 兄弟喧嘩をした。 この喧嘩以降、兄弟の間で会話がなくなったのだ。 蝉が鳴き止む頃 僕は 兄じゃなくなった。 1991年8月。 僕は三人兄弟の長男として生まれる。 2年後、次男が生まれ、3年後三男が生まれた。

もう海に沈めなくてもいいように

「コンクリートに括りつけて、海に沈めてしまいましょう」 同僚が言い放ったその物騒な言葉を、お守りのように胸に抱いていた時期がある。 その同僚と出会った職場は、博物館だった。 私は、大学を卒業してから、正職員の学芸員になったが、1年半ほど働いたのちに退職した。そのときの私は抑鬱状態だった。 半年ほど何もしない日々を送った末、私は、博物館の非常勤職員と大学の非常勤研究員として働くことになった。 博物館では、学芸員としてではなく、来客対応をする解説員として採用された。チケッ

私はあなたのいない世界で幸せに生きていきますので、あなたもお幸せに。

ふと、考えるときがある。 もう会うことはない、私の人生を通り過ぎていった人のこと。 その人達は好きな人もいれば嫌いな人もいる。 小学生の時に憧れていた近所のお兄ちゃん。 中学生の時に毛嫌いしていた社会科の先生。 高校生の時に私をいじめようとして自滅したあの子。 大学生の時になんとなく付き合ってしまった美容師の彼。 すごく大切で、それがずっと続くものだと思い込んでいたあの人。 良くも悪くも色々な思い入れのある人や、特にそんなに深い思い出もないのに、ふとした時によみがえるもう