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何度でも読み返したいnote3

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何度でも読み返したいnoteの備忘録です。こちらの3も記事が100本集まったので、4を作りました。
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#結婚

「両家の顔合わせ」は部活の思い出ざんまい

ちょうど3ヶ月前、梅雨入りしてすぐのよく晴れた日曜日のお話です。 午後には、間宮くん(私は娘の旦那さまを、noteではそう呼んでいます)のご両親が我が家にいらっしゃるので、私は朝からなぜか、キッチンの換気扇を大掃除していた。 キッチンには来られない予定なんだけど、なんとなく、家の空気をきれいにしたくて。 5月に長女は籍を入れ、晴れて間宮くんと夫婦になった。家族みんなの予定が合わずに先延ばししていた「両家の顔合わせ」という儀式が、入籍後にやっと行われることになった。 結納

寄り道のカツサンドと結婚。

使い古したスニーカーは、上からも下からも嫌と言うほど水を吸い込み、歩くたびにぐじゅぐじゅと鳴いた。 幾度と経験してきても、この感覚は「不愉快」という三文字に集約される。 真っ直ぐお家に帰って晩御飯を作るべきなんだけど、ささやかなもやもやが、寄り道へと誘う。 せめて心に降る雨は晴らしたくて、少し冷えた身を気になっていたカフェに寄せようと思った。 帰宅途中にある、前から気になっていた、 かつサンドのお店。 店に一歩足を踏み入れた瞬間、落ちつける場所だなあ、と感じたのはわ

わたしたちの結婚/居酒屋デートと結婚の条件

急な階段をのぼると、吹き抜けの隅に作られた小部屋があった。 小部屋からは、階下が覗けるようになっていた。 賑やかな会話が聞こえてくる。 居酒屋で人が飲んでいる様子を上から眺めるのは初めてで、新鮮だった。 向こうからは私たちは見えない。 けれど、私たちは賑やかな彼らが見える。 なんとなく、子ども心が刺激され、まるで秘密基地に来たみたいなワクワクを感じた。 まるで、ジブリのワンシーンみたいだ。 階下から視線を戻し、二人、丸いちゃぶ台に向かい合って座る。 夫と私、はじめての