後輩って無限に可愛いって話

 こんにちは。年末は何もせず完全回復を待っていた爪に、完全回復を待てないままネイルをしてしまいました。やっぱり爪はカラフルでなんぼ。元気出る。テンション上がる。でも、切っちゃったから強そうな感じにはできなくて悲しい。また伸ばそう。

 はのとです。初めまして。


 私は大学三年で、軽音楽部に所属しています。部活ではキーボードとボーカルをしているんですけど、今年度の途中までは副部長だったので、後輩と接する機会もまあ人より多かったんですね。

 中学生の頃から後輩っ子でした。先輩とはあまり上手くいかないことが多いけど、中学高校と後輩とは仲良くばっちりやっていける感じ。後輩大好き。可愛い。懐いてくれるから、私も倍以上の愛を返しちゃう。だからね、一昨年、大学一年生の頃から後輩がやってくるのをずっと楽しみにしていたんです。

 でも結局コロナで後輩は入部することなく、というかそもそも部活もないまま三年生へ。不幸中の幸い、三年生、つまり今年度になってから二年分の後輩が入ってきてくれたのでもう万々歳です。嬉しい。


 私は、大学生になって初めて、まともな先輩後輩関係を知りました。もちろん、例によってそりが合わず残念な関係になってしまった先輩もいたけれど、何人か、本当に心から尊敬できて大好きな先輩と出会うこともできたんです。

 でね、私は気づきました。先輩に話しかけてもらえると、一日中ハッピーになれるということに。自分から話しかけることが苦手な私にとっては特に、話しかけてくれる先輩、可愛がってくれる先輩っていう存在がとってもありがたかったんです。

 だってね、心ではずっと、話したい、話しかけたい、とは思ってるんです私だって。でもそれはできない。コミュニケーション能力の問題。そんなところに話しかけてくれる先輩って、もう、なんか、いや、本当に嬉しくて。

 だからね、私、決めてたんです。後輩には、積極的に話しかけようって。うざいと思われてもいい。話しかけようって。あのね、思うんです。部活入りたてで友だちもまだちゃんとできてなくて、右も左も分からないとき、そんなときに先輩に話しかけられて、嫌な気持ちになる人いるかな。たぶんあんまりいない。うん、そのはず。いや、そうに決まってる。半ば自分に言い聞かせてはいたものの、その精神でいこうって思いました。


 前述の通り、私は人よりコミュニケーションを取ることが苦手です。特に同期以上の異性。女子校だったのもあって、基本的に異性は苦手なんですよね。特にコミュ力高いと、なんか警戒しちゃって上手く話せない。自意識過剰なんですけど、でもこの警戒癖は未だに抜けません。

 だけどね、なぜか、本当になぜか、私は後輩にはガンガン話しかけることができました。すごいよね、なんでなんだろう。もちろん最初はビビってた。最低5人とインスタ交換することが目標、って新入生たちのデビューライブで意気込んで、結局自力で交換できたのは2人。1,2年生合わせて20人近くいるのにさ、新入生。同期の手を引っ張り、でも後輩が目の前に来たらその同期の背中に隠れて、私は7人とインスタ交換できました。

 そのライブでだいたいの子の名前は覚えて、人となりまでは分からないけど、明るい子、とか、コミュ力低めの子、とか、ある程度のイメージはできるようになりました。それ以降はね、結構後輩にガンガンいこうぜに作戦を変更できたんです。

 とは言え、バンド一緒に組んでないことは話す機会ありません。だって、対面でできる活動には限りがあるから。コロナのせいで。悔しいな。


 それでも、ライブの回数を重ねるたびに色んな子と関わる機会がたくさんできて、特に私は後輩とばっかりバンドを組んでいたので、本当に色んな子のことを知ることができました。

 気難しそうだなと思っていた1つ下の子は、意外とすんなり話をしてくれて、それどころか結構お喋りなんだなということが分かりました。それ以降は結構話しかけるようにしていて、その度に色々な話をしてくれるのが楽しいです。

 控えめなんだろうなと思っていた2つ下の女の子は、思ったより抜けていてアホなところが多いボケ役でした。だから私はツッコミに徹すると、楽しい会話がどんどん広がります。周りの子も巻き込む力を持っているので、これからも化けの皮を剥いでいきたい。

 コミュ力高そうだなと思っていた1つ下の子は、思ったより全然コミュ力なくて結構苦労していそうでした。控えめな性格で自分から話をするのがあまり得意ではないようで。でもこちらから話題提供したりすると、楽しそうにいろんな話を聞かせてくれます。


 そんな風に色んな子のことを知っていくのは楽しい。大勢で話すよりも、私はやっぱり根が陰キャだから一対一の方が楽に話せる。それにみんな話すことは好きな子ばっかりだから、ちょっと質問すればたくさん話してくれるんです。聞く方が好きなので、私にとってはとても良い。

 なんてことをしている内に、私は嬉しいことをよく言われるようになりました。「はのとさんはたくさん話しかけてくれるから話しやすいです。」「はのとさんは後輩のことよく見てるから相談できます。」「はのとさんは仕事ができるから頼れます。」なんてね。嬉しいよ。身に余るよ。仕事なんて特に大してできないのにさ。

 そしてさらには、私は自分でも予想していなかったタイプの扱いをされるようになりました。先輩からは怖がられるくらいな性格をしている私が、後輩相手になるといじられキャラになってしまったのです。これには本人が一番びっくり。同期からもなかなかからかわれることないのに。

 私を怒らせると怖いって先輩たちは本当に思っていてさ、何かあっても私には絶対に連絡してこないの。副部長だったときは、もう一人の副部長に連絡が来ることが圧倒的に多くて、そのたびに私は「この件は私が中心に動いているのだから私に直接連絡してください。」なんて先輩に釘を刺していました。

 だからさ、まあ嫌われてないだけましだなと思っていて。怖がられるというか、線を引かれるくらいは当然だと思っていたんです。きっと後輩にも、そんな風に思われているんだろうなと。

 ところがどっこいですよ。後輩の中でも1番接する機会が多かった、今の副部長である2年生の子がね、私の顔面を大いにいじってくるんですよ。「はのとさんて、リスに似てますよね!」って。最初はさ、喜んだのね。まあなんかリスって可愛いじゃん。で、私身長147cmだからリスみたいな小動物に例えられることも多かったし。でもね、そのあと彼はこう言うんです。


 「この間の練習のとき初めてマスク外したはのとさん見たんですけど、もう顔がリスにしか見えなくて、ずっと見ちゃいました!」いやいや、それはどうなの?顔が似てるの?顔なの?雰囲気とかじゃなくて?リスにしか見えなくてずっと見ちゃったって、それどうなの??????

 その話を、今や恋人になったけれど当時は他人だった先輩がね、「いやそれ悪口じゃん!」って言うの。その場にいた後輩も同期もそれに納得してね、それどころか、後輩を中心にそこにつぼってしまって、私の顔を見るたびに笑ってくるんです。なんだこれは。

 そんな感じで、その笑いが広く伝播してしまって、その直後にあったライブでは色んな後輩に顔をいじられました。顔をいじられるなんて人生で初経験だったけど、まあなんかそこにみんなの愛を感じられたから良かったです。「まあつまり可愛いって言えばよくね???なあそうだろおい!!!」なんて言って追いかけまわしてやりました。

 

 私の経験的に、先輩の何かをいじることって結構ハードル高いことで、もちろん仲の良さも関係しているし、その先輩がそういうの許してくれそうかっていう、性格の理解とかも関係していると思うんですよ。それを気にしない強者もいるかもしれないけどね。

 だからさ、後輩にとって私は、そういうの許してくれそうな先輩って見えてんのかなって。ちょっと自惚れが痛い?痛い?分かる。分かるけど、でもたまにはいいよね、ちょっとくらい調子乗っても。


 そんな風に顔面をいじられたって、いじってくる後輩たちが可愛すぎてもうどうでもいいよね、言われている内容なんて。笑って許しちゃう。まあ言動的には全然許してないけど、実際本心ではどうでもいい。気軽に話してくれることが嬉しいのよ、先輩は。


 今年度が終わったらさ、4年生も引退して卒業して、今度は私が最上級生になるんです。私の部活頭おかしいから、4年生の3月まで部活卒業させてもらえないんですよ。まあ、就活中の4年生は自由参加って感じだから、学業だったり就活だったりに酷い影響みたいなのはないんだけどね。

 で、もうその最後の先輩の卒業も間近。なんならコロナで卒コン的なあれができないかもしれないからさ、このまま流れ解散になるかもしれない。もしかしたら、実質もう最上級生なのかもしれない(?)


 寂しいな。卒業するとき、全員が泣いてくれるような先輩になりたいな。うん、今まさにそう決めた。それを最後の1年の目標にします。

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