四年生、卒業おめでとう。って話

 こんにちは。いい加減、裏起毛はやめた方がいいですね。夜はいいけど、朝もいい時間になるとあまりにも暑くて限界を感じて起きます。エアコン壊れた真夏と同じことやってんのやばすぎる。

 はのとです。初めまして。


 ここのところ部活で忙しく、勉強も大してできず、今も余韻でなかなかやるべきことが始められないというよくない状況です。というのも、私は大学で軽音楽部に所属しているのですが、先日部内で四年生の卒業ライブが行われたんです。

 四年生まで部活に籍を置いてバチバチに活躍し続ける、というのは、たぶん珍しい形なのかな。よく考えればそうですよね。四年生になってまで何してんだと。

 でもね、就活とかの期間は部活の参加は任意になるので、そこら辺は心配ないです。だいたい夏前とかにみんな戻ってくる感じで、そこから三月まで部活楽しんでます。それがうちの部活の色です。


 というわけで、私は大学三年生なので、最後の先輩方を送り出してきました。卒コン的な。素敵なライブでした。本当に。ずっと泣いてた。

 でもね、実は私、この卒コンを体験するのは初めてなんです。先輩を送り出すのも、初めて。もちろん、一年生の初めから休むことなくずっと部活には参加していました。でも、初めてだったんです。

 それはね、コロナ禍に突入してしまったから。一年生の頃、だから三年前、2020年の三月。例年のように、当時の四年生を送るための準備は着実に進んでいました。私も幸い二人の四年生にバンドを誘ってもらって、一生懸命練習していました。難しい曲もあったけど、緊張で練習前にお腹痛くなったりしたけど、頑張りました。

 でもね、練習までたくさんしたのにね、ライブはなくなっちゃいました。大学から、停止令が出たんです。ライブの。大人数で集まってライブは危険だって。まあ、仕方ないですよね。

 当時一年生だった私は、この最後のライブの重みが分かっていませんでした。だから中止は賢明な判断だと思ったし、仕方ないって割り切れたんだと思います。

 でも今年、初めてそれを経験して分かった。他のライブは仕方ない。なくなっても、仕方ない。でもね、卒コンだけは、なくしちゃいけないんです。大学生活でさ、四年間も同じ団体に所属して、同じメンバーに定期的に会って、何か一つのことを成し遂げているとね。意図せずとも、大学生活一番の思い出が、部活になってしまうんです。どうしても。

 他に思い出はたくさんあるはずなのに、部活の占める割合がどうしても大きい。三年生の今ですら、そう感じているんです。四年生になったら、それはきっと、なおさらだよね。

 思い出の場所を立つためには、壮大な儀式が必要。そうじゃないと、部活に心を置いて、社会人としての新しい一歩を強く踏み出せない。そうなってしまうんじゃないかって思うんです。けじめは、何事にも大事ですよね。そういうこと。


 最初で最後でした。先輩を見送るのは。先輩の卒業を祝って、四年間の活躍をたたえて、涙を流すのは。これで最後。最初だけど、最後。一年後に、その舞台に立っているのは私。私たち、現三年生。

 一年間しか部活をしないままコロナ禍に突入し、大学が回り始めた一年後には、幹部の代になっていました。知識も経験も乏しい中、今までのように部活を簡単に再開することもできず、大学側と何度も話し合いながら調整していって、なんとかコロナ禍最初のライブを成功させた瞬間は忘れられません。

 ペーペーのままの私たちが幹部になり、現四年生たちは、幹部として何もできないまま幹部を引退。そのやるせない想いは計り知れません。部活に対して熱く強い想いを持っていた先輩方の気持ちは。

 私はね、二個上三個上の先輩方に可愛がってもらっていて、一個上の先輩とはほとんど関わりなかったんです。同性の先輩とは確執もあるし、異性とはそもそも喋れないし。その上、私は性格上曲がったこととかうだうだもごもごしていることが嫌いなので、そのせいで一個上の代とはぶつかってばかりでした。

 扱いづらい後輩だったと思います。先輩方にとっても、そして私にとっても、互いを嫌いだと思った数は片手では数え切れませんね。そう言ったら、先輩は否定してくれました。そんなこと思ったことないって。でもごめん。私は何回も思ってた。

 四年生なんて大嫌い。そう何度も思ってきたはずなのに、四年生たちのライブを見ると、そんな気持ちはどうだっていいって思えてしまうんです。不思議なことに。音楽で黙らされる。ずるいな。悔しいな。文句の一つも出ないよ。そんなすごいライブされたらさ。


 仲違いをしていた先輩ともね、最後の最後で仲直りできました。最後は笑って、一緒に写真を撮りました。単位不足で卒業ができないその先輩に、私は「単位の落とし方なんで知らないですね~。」なんて言えるほどに、軋轢は簡単になくなりました。

 ずっと憧れていた先輩に、初めてそれを伝えることができました。そしたら先輩も色々なことを話してくれて、最後にはピックにメッセージを書いて私にくれました。一緒に写真も撮って、夜にはラインでさらにメッセージもくれました。

 もっと早く、話しておけばよかった。もっと早く、声を掛けていればよかった。もっと早く、気づいていればよかった。


 そんな後悔をしても遅くて、私はその後悔を背負ったまま、四年生になります。最上級生になった私は、どんな先輩になるんだろう。一年後、後輩たちは泣いてくれるかな。卒業しないでって、どうしようもない駄々をこねてくれるかな。色紙にはいっぱいのメッセージを書いてもらえるかな。いっぱいバンド誘ってもらえるかな。

 今年の四年生たちみたいに、私も、そんな四年生になりたい。かっこよくて、偉大で、尊敬できて、音楽ですべての文句を飲み込ませるような、そんな強引ですごい四年生に、なれるかな。


 四年生のみなさん、四年間、お疲れさまでした。この部活にいてくれてありがとう。どんな言葉並べても、それはなんか蛇足にしかならないような気がして、紡ぐのが難しいな。とにかく、ありがとう。

 好きで終われてよかった。

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