飯能の物価指数
こんにちは。飯能高校 探究部のギンです。
現在探究部では今年度の活動の集大成として、個人課題を設定し、4000字レポートを書いています。
私の4000字レポートの内容は、飯能の経済についてです。
経済を見るときに物価指数が必要だと思っていたのですがCPI(消費者物価指数)は政令指定都市などではない限り発表されないので悩んでいました。
ところが、埼玉県市町村民経済計算に市町村別でGDPデフレーターが発表されていたので紹介したいと思います。
GDPデフレーターとは?
GDPデフレーターは、物価指数のひとつで物価変動の影響を受けた名目GDPから実質GDPを 名目GDP ÷ GDPデフレーター で求めるのに使います。
GDPデフレーターの計算式は、名目GDP ÷ 実質GDP で計算されます。
GDPデフレーターは、消費者物価指数のように消費者物価だけでなく、GDPにカウントされるすべての国内の財やサービスが対象になります。
GDPデフレーターが上昇していたらインフレーション、下落していたらデフレーションということになります。
GDPデフレーターの動き
2013年4月に量的質的金融緩和がはじまってから上昇していることがわかります。
しかし、2017年、2018年は下落しています。これは、輸入物価が上昇したからです。
輸入物価が上昇したら物価指数のGDPデフレーターが下落するってどういうこと?と思われる方がいると思うので説明します。
GDPデフレーターは、名目GDP ÷ 実質GDP で計算されると言いましたが、GDPの計算式は、国内需要(民需+政府支出)+(輸出額-輸入額)です。
そして輸入物価が上がるとGDPの控除項目である輸入がその分増えて、GDPがマイナスになります。
仮定として名目GDP100万円、実質GDP100万だったとします。輸入物価が例えば10%上昇したとするとGDPがマイナス10万円になります。
この10万円分を国内物価に転嫁できたとしたら輸入のマイナス10万円と国内需要のプラス10万円で変わらず名目GDP100万円、実質GDP100万円で
100万÷100万=1でGDPデフレーターに変化はありません。
しかし、輸入物価上昇分のマイナス10万円分を国内物価に転嫁できないと名目GDPが90万円なってしまいます。
実質GDPは物価変動の影響を除いているので変わらず100万円です。これでGDPデフレーターを計算すると90万÷100万=0.9でGDPデフレーターは下落します。
つまり2017年、2018年のGDPデフレーターの下落は、輸入物価上昇分を国内物価に転嫁出来なかったことが原因であると思います。
まとめ
GDPにカウントされるすべての国内の財やサービスを対象とする物価指数のGDPデフレーターは、量的質的金融緩和以降上昇していますが、2017年、2018年などは輸入物価の上昇などで下落しています。
4000字レポートでは、今回使用したGDPデフレーターなども使って頑張って書き上げたいと思います。
〜顧問のつぶやき〜
相変わらず、ギンは我道を行ってくれていて頼もしいです。
探究部でも経済・金融政策などの話がみんなでできればいいのですが、現状では難しいものがあります。
ギンに講師になってもらって、みんなで勉強会がいいかもしれません。
以前の記事では、ギンはしばらく円安相場が続いたあとに円高方向に動く予想と述べています。
さてその円安相場はいつ反転していくのでしょうか。
ギンには引き続き分析を続けてもらいたいと思います。
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