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病院で働きたくないナース

看護師なんだから世のため人のために病院で働けよ!と思われる方もいるかもしれない。コロナウィルスが蔓延し、深刻な看護師不足。悲鳴をあげる現場ではとんでもない額の月給を提示して人材をかき集めているところもある。

どんなにお給料が高かろうが、人の役に立とうが、人からすごい・ありがとうと言われようが、病院で働きたくない理由は周りが思っている以上に闇深い。


私は助産師をしていた。毎日赤ちゃんたちに囲まれて、それはそれは幸せな現場だ。

一般の方向けに助産師の位置付けについてはまた別でnoteをまとめるが、業務としては看護師業務にプラスして助産師業務を行う。よく言われる「ヒ・ヒ・フー」だけをしているわけではない。(ちなみに今ラマーズ法はほぼ使われていない)

正常分娩においては全ての判断を助産師に委ねられている産院も多く、母体と胎児、一度の2つの命を抱える。もちろん分娩進行者は常に数組いて、多い時には10人一度に進行してくることもあった。それに加えて切迫早産などで入院している妊婦さんたち、婦人科や帝王切開術後の患者さんたち

夜勤ならよりスタッフの数は減り、一人が受け持つ人数は増える。

全員大切にじっくり向き合いたくても時間がない

優先度を常につけなければならず、それでも目の前の患者のことだけを考えて動くことはできない。

頭の中では常に他の受け持ち患者を気に掛ける

「あぁ今日も仮眠は絶望的」

夜勤が始まった瞬間にわかる

労基上、16時間ある夜勤の中では仮眠の時間を作らなければならない。

でも寝ている時間もないし、眠れる状況でもない。

人は寝不足になると、大瓶1本分のビールを飲んだ時と同じくらい判断力が落ちると言われている。

どんなに判断力が落ちようと、間違えるわけにはいかない。

赤ちゃんに大きな障害が残ることだってある。

最悪亡くなってしまうこともある。

万が一そうなった時、自分に過誤がなかったとしても自分を責めずにはいられない。

もしあの時違う判断をしていたら

もしあの時10秒早く訪室していたら

もし自分が担当じゃなければ

こんなことにはならなかったんじゃないか

そんな思いを一生抱えて生きていくことが、私にはできないと思った。

でもそんな過酷な労働環境では、いつかそんな事故が絶対起きないと言い切れなかった。そんな自信は持てなかった。

とりわけ助産師は第六感、霊的な感覚を使っていることも多く(これは助産師経験者などわかる人にはわかると思う)そういった邪気があると感覚が鈍る。

こんな不安を抱えて働き続けるメリットは、自分にとっても患者さんにとっても見つけられなかった。

コロナ禍で疲弊し、医療現場を去った医療従事者も多数いるらしいが、ベースが上記のような現場にコロナ患者が押し寄せたら、それは当然の判断だとも思える。

それは逃げではない。誰も殺さないために自分はいない方がいいという判断。命を守るための判断に他ならないと思う。

もちろん自分の家族を守ることも含めて。



それでも働いてくれている人たちがいる。

ただの感謝では足りないと思う。飛行機飛ばしたりではなく、ちゃんと環境を整えたり報酬を確保したりしてほしいと思う。

はっきり言って年収400万でしようと思える仕事ではない。(地方)


離脱した医療従事者は自分を責めないであげてほしいし、環境が改善されることを切に願う。


今回は闇深いところを紹介してしまったので、次はこれから看護業界を目指す人のためにモチベーションの上がる記事を書きたいと思います。

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