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裸のおっさんと距離のはなし

人付き合いに於いて、1番大切なものは距離感だと思う。

100m先に裸で佇むおっさんがいたとする。
一瞬、構えるが暑いから涼んでいるだけとも取れる。

でもそのおっさんがこちらへ近づいて来ていたらどうだ。
振り向くと知らぬ間に裸のおっさんが目の前にいる。110番だろう。
対象物は同じでも、どこにいるかだけで警察沙汰になり有る。

たまに仲間内でやる『イジり』という行為。
身体的な特徴や、失敗談をこねくり回し当人をイジる。
褒められた事で無いと分かっているが、限られた関係性の中でやるから成立する事を理解していない人がたまにいる。

この人、みんなに「デブ」って言われてる、こういうキャラなんだから俺も言っていいんだ。
…って良い訳ないだろ。
裸のおっさんと同様に距離の取り方を間違えてる。


人間関係が苦手な人はこの距離を取るのが下手だし、上手な人はその逆と言い換えられる。


先日の記事にも書いたが、わたしはコロナウイルスの濃厚接触者となった。

もし罹っていたらと思うと怖かったし、色んな人に迷惑をかけてしまうと自分を責めた。

そんな時、元気付けながら寄り添ってくれる人と、自分の事だけを心配して離れていく人に分かれた。


考えてみると「寄り添ってくれた」友人らの殆どは、仕事で重要なポジションを任されているしっかり者だったり、人が集まる人気者だったり、女一人で事業を成功させているキレモノだったりした。

彼らはわたしの不安な気持ちを最初にキャッチし、こっちの心配はいらないからと元気付け、その後も寄り添ってくれた。

彼らは社交的だが、初対面の人がみんなにイジられていてもイジる側に回ってはしゃいだり笑ったりしないだろう。
もっと違った方法でその場を楽しくしてくれる。

人の気持ちを考え行動できる、そういう人間にチャンスや人は集まる。
『相手の立場にたってみる』
よく言われている言葉で、みんな実践していそうな事ではあるが、状況によってはなかなか難しい事だ。

あの状況でわたしを想ってくれた彼らに感謝しているし、もし彼らに何かあれば今度はわたしが支えたい。


最後に、今回の場合は状況が特殊なので言いたい事を言って離れた友人らの事を悪く思ってない。
仕方のない事だった。

ひとつ後悔しているのは、友人らと遊んでいた時、たまにマスクをズラしていた事と、食事の際の席が近かった事。


徹底していれば、みんなの不安はもう少し和らいだし、自分自身も楽だった。

新しい生活様式ができた今、自分の事を『裸のおっさん』だと思って生活するのが賢明だ。

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