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時々書き綴ってみる、イマココ

愛知県の山間部。町から廃校保育園を借り、再活用する複合施設とするプロジェクト「datte(ダッテ)」。リノベ中のdatteの主催者から2教室を賃借し、1教室は天然染料・染めスタジオ、1教室はアートギャラリーとして準備を進めている。

田舎で活動するときに都市部と大きく違うことは
・人が少ない(特に若い人)
・空気と水と食べ物は最高
・静かでよく眠れて、集中できる
・土地・不動産・場所代がとてつもなく安い
・不便な場所にあるので、フィジカルな動員は容易ではない
・地元はカルチャーやアートとかへの関心は非常に薄い(もう少し絞って言うと、若者カルチャー、サブカルチャー的なもの、現代アート、メディアアート的なもの)
・草刈りなどの地域管理作業や地域の付き合いなどがある
・人が少ないので却って人付き合いが大事にされる

といったところでしょうか。
名古屋に住みつつ、時々海外に脱出しながら自分を保っていたころ、作品制作したり展示を考えりするときにネックになるのが、とにかく費用がかかるということだった。(安旅とはいえ、海外に滞在するのにもそれなりにかかってはいたけど…)
静かで自然に囲まれた環境が良いという大前提に加えて、自分の場合は作品制作に集中したいというのがたぶん一番の目的で田舎に来たわけですが。ここまで、田舎暮らしというものをこの先どう暮らしていこうかみたいな折り合いをつけることに立ち回ることばかりに労力を取られ、気付けば全然作品制作なんてできてないじゃんという状態のイマココ。最初に店という場を作ってみたけど、全然想定していた層とは違う方面との関わりが増えて、時間ももったいないし、ちょっと面倒かなということに。(断れないたちなので、どんどん流されちゃうんだよね。)コロナもあって、少し店は寝かせておいて、今は染め商品の制作ができる場所と、自分で好きなように展示ができる自分のギャラリーを作るという行動に出てみた。そして、少しずつ世間から自分をミュートし、諦められたり忘れられたりするモードに入ってみている。作品制作に集中したいから。そしてそれはたぶん、易々と理解とか共感とか仲良しとか求めていない(得られない)世界だから。
かっこよく語る人たちより継続して実行している人たちが好きだ。そしてそれはたいていみんな、それぞれ、人生を通じて黙々とその人を実行している。この間までは消費文化でかっこいい自分をアピールしていた人たちが、時代が変わればSDGsでエシカルですって大量に流れてくるタグ群のSNSが、何だか水に浮いてる油軍団みたいに思えてくる。欲をどの言葉で表すと現代社会でクールに受け入れられるかをという言い訳を競っているかのようで、社会正義がきれいな人たちってちょっとツライ。自分自身と向き合う人よりも、社会のトレンドにしがみつく人の方がどんどん増えてきている気がするのですが、どうなんでしょう。
評価より、山奥でただ自分の暮らしをしているだけのおばあちゃん、好きなことしながら漂っている人、部屋で鬱々としている人、何だっていいけど、自分にひたすらコミットしている人たち、むしろ普通の人たちが好きだ。楽だ。
喧騒から離れたところに生息し、猫撫でているだけで安まる地味な自分が、日本という右往左往する集団を別の惑星の人たちのように見ている。イマココ。

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