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【読書】3部作全て読んでこそ面白い~自由研究には向かない殺人

先日来読み進めていた、翻訳小説。いくつかの本屋のランキングコーナーで翻訳小説部門1位で飾られており、ご存知の方も多いかもしれない。
ホリージャクソン著の全3作のミステリーで、イギリスの翻訳小説だ。
1.自由研究には向かない殺人
2.優等生は探偵に向かない
3.卒業生には向かない真実

シリーズ3作全てを読んだからこその面白さを、ネタバレなしでお伝えしたい。
(’’翻訳小説’’自体の面白さについては以下の記事を是非見ていただきたい。)

本シリーズのあらすじ

主人公は、女子校生の’’ピップ’’である。数年前に起きた上級生同士の殺人事件について、殺人容疑をかけられたまま自殺してしまった上級生と、彼に殺されたとされるも遺体が見つからないままの彼女。

「彼はきっと殺人を起こすような人間ではない」という仮説の元、単位として認定される授業の自由研究として調査を開始することからこのシリーズはスタートする。

シリーズ3作一貫して、正義感の強い主人公が、周囲の友人・家族の力を借りながら、問題を解決していく物語である。

本シリーズの面白さ

この3作のおすすめポイントを順に記していきたい。

まず、いろんな人に聞き込みをしながら、徐々に謎が明らかになっていくミステリーらしい面白さはもちろんだ。

次に、シリーズ作ならではの、シリーズを追うごとに人間関係が変化していくことだ。物語が進むにつれ、知られざるバックグラウンドが分かったり、主人公との関係性も変わったりする登場人物がいて、そんなときは前作を読み返したくなる。また、1作目と3作目を比べての主人公の変化・葛藤も感じられる。

そして、ただ頭が良く観察力に優れた’’女子高生’’が調査するからこそ、正義に揺れる場面や、危険にさらされる場面、思い通りに行かない場面もある。ご都合主義は一切なく、はらはらドキドキ、ページをどんどん進めたくなる。

是非、3作全て読んでほしい。

主人公が解く事件が、様々な要素が絡み合って起きるものであり、イギリス・日本問わず共通のものである。こういった人間の嫉妬・私利私欲・個々人の問題、海外ならではの薬物使用をはじめとする社会問題など、様々な要素盛り沢山の、読み応え抜群の物語である。

これまであまり翻訳小説を読んでこなかったが、この3作があまりに面白かったので、いろいろ試してみたいと思う。

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