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40歳、熱を出すのも一苦労

十数年ぶりに熱が出た
大人になってからというもの
風邪をひいても熱が出ることなく
不完全燃焼でいつの間にか治っていることが多かったのに

風邪をひくたびに念のため体温計をワキにはさむが
たいがい平熱、もしくは平熱よりも低いとくるんだから
あれはどういう現象なのか教えてほしい

今回もノドの違和感から始まり、カラダがだる重くなってきたので
「念のため」体温計をはさんでみる
いつもなら、もう測ったの?と疑わしいほどすぐ音が鳴るのに対し
今回は壊れてしまったか?と心配になるほど
ずいぶんと経ってからピーピーと乾いた音が鳴った
どうせ熱はないのだろうと、たかを括っていたのに
思いがけず38度を超える数字に
熱のせいか驚きのせいか判別のつかない冷や汗が噴き出す

顔は沸騰するんじゃないかと思うくらいみるみる赤く熱くなっていく
沸騰するなら、まずは脂肪から持っていってね〜と軽口を叩きたいのに
体温が判明した途端、病人らしくシュンとなってしまった

汗でびしょびしょになるパジャマを何度も着替え
カラカラに渇くノドを潤すために水分補給も欠かせない
久々に味わう高熱の感覚に懐かしさを数ミリ程度感じながら
大きめの保冷剤を抱いて横になる

ぼーっとする意識の中で
子供の頃はこんなんじゃなかったよな、と思い出す
38度なんてまだまだ序の口で
学校は休んでみるものの家の中で休みを満喫していた
大人になった今、そんな休み時間を満喫する余裕などない
カラダ中の細胞が熱と戦っているのがわかる気がする
もう自分の細胞を信じるしかなく、力尽きて横たわることしかできなかった

大人になると、というか40歳も超えると回復力の低下が著しい
朝は微熱、夜になると38度を超えるという数日間を耐え抜き
なんとか後は鼻声が残るのみというところまできた
発熱すればデトックスがわりでスッキリするかと期待したが
カラダのだる重さは継続中
40歳、こんなことではうかうかと熱を出すこともできない

発熱だけでこれだけ右往左往していたら
これからくる更年期の時期なんてどうやって過ごしていくのだろうかと少し不安になる
そこで、いつも同じ話題で半ばあきれていた「集まれば健康の話」をする中高年者の気持ちを理解する
あれは情報交換しているのよね
若者よ、どう抗ってもそんな日が来るのだよ
熱を出すにも一苦労する年齢になった自分
カラダのメンテナンスの重要性を感じた風邪ひきライフも
そろそろ終わりを迎えそうでほっと一安心している灼熱の一日


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