見出し画像

#3文法授業のハウツー|オンライン授業対応

割引あり

「日本語の文法の授業って、何するの?」その疑問に答えるため、文法授業の流れをご紹介します。文法授業の経験がある方にもぜひお読みいただき、気づきを得てマンネリから脱却したり、自身の授業を見直すきっかけになれば幸いです。


文法積み上げ式で教える

語学教材(または教授法)にはさまざまなタイプがありますが、今回は日本語文法を教える際に広く取り入れられている「文法積み上げ式」での文法授業について解説していきます。それがいいとか悪いとか、評価は一旦別にして、文法積み上げ式で行われる一般的な授業の話、と考えてください。

今回は初級日本語の教科書「みんなの日本語」を使った授業を元に解説していきます。まずは「みんなの日本語」の、教材としての特徴を確認しましょう。
この教科書は、国内外でのシェアが非常に高く、世界各国でも広く知られ、使われています。副教材が豊富に揃っているのが特徴で、学習者が使う文法解説問題集をはじめ、教師が授業を作るときに参照する「教え方の手引き」、授業でも使える「導入・練習イラスト集」などの副教材があります。また、多言語化されているのも特徴の一つで、「文法解説」に関しては、現在15言語に翻訳されています。

授業の進め方

それでは、基本的な文法授業の流れを見ていきましょう。

1. ウォームアップ
2.語彙導入
3. 文型導入
4. 練習
5. 活動
6. 課題

1.ウォームアップ

授業を始める際には、まずウォームアップ(ウォーミングアップ、アイスブレイク)から始めます。
教室に入っていきなり、「おはようございます。教科書の◯ページを開いてください。」と、二言目にはすぐ授業を始めるような教師はいないですよね。多くの教師が、軽く雑談復習をしてから授業内容に入るのではないでしょうか。これが「ウォームアップ」の部分です。

ウォームアップでは、雑談やアイスブレイクによって学習者の緊張をほぐし、教室の雰囲気づくりをします。前の時間の復習や宿題の確認なども、ここに含まれる場合があります。ここでその日の授業の内容に関連する話題に持っていくことができれば、スキーマの活性化にもつながります。

2.語彙導入

次に、その日の授業で扱う新しい語彙を導入、もしくは既習の語彙を確認します。絵カードや文字カード、翻訳が付いている語彙リストなどを使い、確認・練習を行います。

ここから先は

2,993字 / 3画像

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?