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授業につなげるための【文法分析】①みんなの日本語L1〜L3

「日本語の文法を説明して」と言われても、意外と答えられなかったりしますよね。いくつも参考書を見比べたりするのも結構時間がかかるし、学習項目(文型)の一体何を教えればいいの?という方のために、初級日本語文法の分析結果を共有します。


注意事項

分析には「みんなの日本語(第2版) Ⅰ ・ Ⅱ」を使用しています。これは決して、使用教材にみん日を推奨しているわけではなく、あくまで初級文法の提出順を参考にしているに過ぎないことをご了承ください。
初級文法の教科書は、どれもある程度扱われている文型・その提出順が似ています。他の教材をお使いの方でも、問題なく参考にしていただけるはずです。ただし、教科書によっては扱われている文系の”用法”に違いがある場合がありますので、教材分析で学習項目をよく確認した上でご活用ください。

第1課 名詞文

1. N1はN2です

人の名前、国籍、職業を表す。「は」はN1が文の主題であることを示す。N1を共通の話題として取り上げ、それについてN2が説明をしている(N1 = N2)。
「は」には対比の意味があり、全ての文が「私は」「私は」となると自己主張の激しい文になってしまう。そのため「私は」は省略されることが多い。

2. ~じゃありません

「です」の否定形。これは日常会話で用いられる形で、フォーマルな場面では「ではありません」を使う。

3. ~ですか

「か」を文末につけると疑問文になる。疑問文には「はい/いいえ」で答える。

4. ~はN1のN2です

N1がN2を修飾する場合、2つのNを「の」で結ぶ。この課では、N1はN2の所属先を表している。

5.  N3もN2です

人の名前、国籍、職業を表す。「N1はN2です」と主語は異なるが、N2が同じ内容の場合には、「も」を使う。

6. ~は◯歳です

年齢は「歳」を用いる。相手の年齢を聞く時は「おいくつですか」を使う。

第2課 指示語

物理的に近い…話し手から距離が近い
心理的に近い…話し手の所有物、またはテリトリーにある

1. これ、それ、あれ

  • これ…モノが物理的、心理的に話し手から近いところにある。

  • それ…モノが物理的、心理的に聞き手から近いところにある。話し手からは遠い。

  • あれ…モノが物理的、心理的に話し手/聞き手の両方から遠いところにある。

  • どれ…モノの場所(所在)を聞くための疑問詞。

*これ・それ・あれ→現物指示/あの時・その場所→文脈指示

2. これは〜ですか、~ですか

疑問文を並べて、正しい答えを選らばせる。

3. これはN1のN2です

N1が、N2の内容または持ち主を表す。N2が明らかな場合、N2は省略することができる。

4. この、その、あの

所在地を明確にし、さらにその物の名前を言うことで、何を話題にしているのかはっきりさせる。

*文脈指示
通常文脈指示は「そ」か「あ」を用いる。「こ」を用いる際は、それが意識の表面に上っているとき、臨場感をもって話すとき、それを強く意識しているときなど、プラスのニュアンスがある。

第3課 指示語

1. ここ、そこ、あそこ、どこ

・ここは〜です→ここが何なのかが分からない。ここ(場所)は分かっている。
・〜はここです→〜がどこなのかが分からない。〜(モノ)は分かっている。
・*どこは〜ですか→~はわかっている。➡︎「~はどこですか。」

*二人が同じ場所にいるとき
二人がいる場所「ここ」、二人から少し離れたところ「そこ」、二人から遠いところ「あそこ」〈距離説〉

2. こちら、そちら、あちら、どちら

ここ・そこ・あそこ・どこよりも丁寧な言い方。

3. 国/会社はNです

自分の所属を言う言い方。

4. これは国/会社のNです

Nの生産地を言う言い方。

5. ~は~円です

金額を聞くときは「いくらですか」を使う。
*4が二桁以上の数字で使われるとき、一の位にあれば「よ」と読むが、それよりも大きい位にあれば「よん」と読む。

参考文献


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