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高い楽器は必要か

初心者から楽器を始めるのに、どんな楽器を買えばいいですか?
思い切って高い楽器を買え、という意見もあるし、いやいや高い楽器はどうなのかなあ、という意見もあります。どっちなんですか?

ええとですね、結論です。
「中ぐらいの楽器を買え」です。

この質問って、立場とかすべてのキャリア(楽器始めたばかりの初心者からプロまで)を含んでいるから、答えるのが難しいんです。

私は長年楽器続けていますが、楽器を売る側の業界とあんまり馴染みがないし(廃課金勢ではないから)、楽器のスペックとか、マウスピースがどうとか型番がどうとか、全く興味がないタイプの人間なんです。
ごめんなさい。
そんな私のいうこと。話半分でお聞きください。

楽器のグレード

よく「ピンからキリまで」といいますが、
独断と偏見で、4つくらいの範囲にわけちゃいましょう。

  1. 「下」廉価な楽器:大量生産品、エントリーモデル

  2. 「中」標準的なグレード:

  3. 「中の上」ちょっと高級な標準グレード

  4. 「上」高級品・最高級品:

たとえていうと

ガンダムに例えてみると、こんな感じです。

ガンダムのメカを4種類に分類した

……ええと……平成生まれ以降を置き去りにしているので
一応車でも例えておきますね。(色が地味だな…)

車を4種類に分類した

さて、それぞれのグレードにとってどうか、説明していきましょう。

「下」

「エントリーモデル」は玉石混交です。
初心者にとってちょうどいいものを用意するメーカーもあるし、精度を満たさないような場合もある。当たり外れもありうる。
悪い楽器にあたったら、演奏以前の問題かもしれない。

昔は「安い」といえばYAMAHAのスチューデントモデル。これはそんなに悪くないと僕は思ってます。ただ、素材には金がかかっていない。
最近は中国・台湾のメーカーのかなり安価なモデルがあります。この辺については触ってないのでコメントは差し控えますが、多分地雷率が高い可能性がある。
また、中古の安い楽器(本来高いグレードなのに安い)は総じて地雷率が高い傾向がある。初心者にはハードルが高い。

そりゃコストパフォーマンスは優秀なんですよ。安いんだから。
ですが個人で愛着を持って長く使うにはすこし難しいかもしれない。そもそもギャンブル率高い。
「最初だから安い楽器でいいだろ」という意見、ごもっともです。
しかしこういう楽器では音楽そのものを楽しめない可能性もある。最初が肝心です。

ただ、こういう楽器をも、プロはかなり上手に使いこなすのも事実。
なので、共産主義的なスタイル、楽器所有していない集団に有限にある楽器を割り振るなら「下」の楽器は上手い人に吹かせるといいでしょう。いやがるでしょうが。

「中」と「中の上」

というわけで、ここが正解。結論はやっ。
メーカーが最も台数を沢山作っているボリューム層。
個体差が少なくクセが少ない。最大公約数的な作りだと言えましょう。

トロンボーンでいえば、ヤマハの600シリーズ、キングの2B/3B、バッハ42あたりでしょうか。ここが最もコスパがよく地雷の少ないカテゴリーです。

もう少しいい楽器「中の上」はどうでしょうか。
例えば、ヤマハでいえばカスタムからXenoシリーズ、キングでいえばシルバーソニック(ベルが純銀)というあたり。
クルトワ、シャイヤーズなど海外ブランドの一番安いグレード(安くないんですけれども)も含まれるでしょうか。

プロのミュージシャンも、この辺りを好んで使います。
プロは楽器の使用頻度が多いし、演奏は趣味ではなく仕事。

仕事道具というものは、コストパフォーマンスがよく、替えがきき、入手が容易でバランスのとれたものを選択する傾向にあります。
よって、入手がイージーでスタンダードに近い楽器を好みます。

「中」と「中の上」では余裕があれば「中の上」を使いたいところ。
その方が、モチベーションは維持されやすいかもしれません。
「良い楽器を使った方がいいよ」は「中」と「中の上」の比較を言うのであれば、たしかにそうです。

多くのアマチュアも使うこの辺りの楽器で腕の差を見せつけるのが、もっともプロ的にはおいしい、という側面もありそうです。

「上」

最上位機種の「上」。松竹梅でいえば松ですね。
大体高い材質を使っていたりで、音色など特質すべき美点があることが多いですが、すべての要素においてすぐれているわけではなく、素晴らしい音色一点張りで、癖が強いセッティングであったりの印象はあります。

もちろん、こういう一点物のすばらしい楽器を使うプロミュージシャンも沢山います。特に、フルート・サックス、バイオリンなど弦楽器全般はその率が高いかもしれない。

クラシックにおいては良い楽器を使うことは
「俺はちゃんと稼いでいるんだぞう」「社会的に高い立場の出自の人間なんだぞう」というマウンティングなんでしょうか。

ジャズの場合どうなんだろう。
高い楽器では、治安の悪い地域の狭いライブハウスでは事故に遭いかねないし……サックスはビンテージのアメセルはとんでもなく値段が高騰してますから、例外的に「上」でありながら、ジャズ界隈では「中の上」みたいな頻度で、皆もってはいますが。

高い楽器は「うまさ」を保証しません。
この価格帯の楽器はおすすめしませんが、買いたい人は勝手に買っちゃうでしょ?もう一つの用途としては節税(以下略)

まとめ:

  • 低価格なモデルは当たり外れが大きい

  • プロはそんなに高い楽器をつかっていない

そんな僕はどんな楽器を使っているかと。

ギャン。

ギャン

ギャン。

Kuhnl & Hoyerの Bart van Lielモデル。シルバーベル。カスタムで彫刻入り
(なんですけども、一点物で売られていたのを買いました)

どうみても、ギャン。

ギャン

ありがとうございました。

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