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「VTuberの巣窟」はいつ頃から数字至上主義となったか

VTuberの巣窟というVTuberアンチまとめでは、基本的に記事を無視したレスバトルが展開されている。それに加えてホロライブあるいはホロライブに関連する配信者の実況が盛んだ。この独特な雰囲気は去年初めには観察されず、ここ1年で劇的な変化があったとみられる。今回はVTuber界隈の変遷を知る一つの手法として、VTuberの巣窟が数字煽りの民に侵略されていった経緯を自分なりに調査した。

今回はVTuberの巣窟にフォーカスをあてた内容のため、一部VTuberの巣窟記事へのリンクがある。不快に思う方はスルーしていただきたい。

数字至上主義文化について

そもそも数字至上主義文化とは何か。巣窟民もそれについての疑問は持っているらしく、偶然記事になっているところで盛んにコメントが行われていた。

曰く、ネットのオタク文化として歴史は古く、家庭用ゲーム機について対立煽りが行われていた通称「ゲハ」の時代から似たような文化はあった。

既にこの時点から民度が低い分野ではあったが、これらはアニメBD売りスレなどにも持ち込まれ、争いを起こす火種として今日まで存在している、という事らしい。

いつ頃から乗っ取られたのか

数字至上主義文化がうっすらとVTuber界隈に持ち込まれた事は事実として、VTuberの巣窟自体がいつ頃からこのような惨状になったのか。今回はあくまでその時期を把握するために記事を見ていく。

調査方法

2022年3月現在の記事から2021年3月末の記事にかけて、二分探索を用いながら大体の時期を特定する。まず上記の時期の中間である2021年9月末の記事に数字文化は持ち込まれているかを調べる。その後、持ち込まれていればそれ以前にあたる2021年6月末の記事を、持ち込まれていなければそれ以降にあたる2021年12月末の記事を調べる。これを繰り返して、数字文化が持ち込まれた時期を探す。その後、月のいつ頃から持ち込まれたかも精査する。

結果

乗っ取り月調査結果

結果は表のとおり、明らかに9月を境としてコメント数が増加している。該当の記事は以下のもの。

記事の内容はともかく、この時期にVTuebr界隈で何があったかをコメントが物語っている。10月末をもって、元ホロライブ所属桐生ココのフリーチャットが閉鎖されたのだ。

コメントは主にその内容についてと数字煽りだが、ここで前後の記事に注目してみる。その次の記事は10月1日の0時半に投稿されており、0時の記事が投稿されていない。何らかの理由で本来0時に投稿されるはずだった記事が投稿されず、2つの記事につくはずだったコメントが統合した数字になっていることがわかる。前後数日間の記事のコメント数や内容を見ても、数字煽りに乗っ取られている形跡は薄い。よって、10月の記事を中心にどのような変化があったかを調査した。

10月調査結果

結果は表のとおり…といっても、正直はっきりとした境界は見られなかった。結局のところ数字煽り勢は10月の初旬から末にかけてじわじわとVTuberの巣窟を乗っ取っていったのではないかと考えられる。

そして記事を調査していった結果、一つの共通点が判明した。その日の0時をまたいだ瞬間を含んだ記事に「集計人」と呼ばれる前日まで行われた配信の同時接続者数のランキングを載せる存在が必ず降臨していたのだ。

集計人はいつ頃現れたのか

この集計人は0時になると現れ、VTuberの同時接続者数のランキングを掲載していく事を繰り返しているようだ。この文化は現在も続いており、「ジェネリック集計人」が日々降臨している(何故ジェネリックなのかは別途調査する必要があるだろう)。数字文化が巣窟に根付く一つのきっかけとなったこの存在は、いつ頃から現れるようになったのかを調査する。

調査方法

同様にいつ頃から集計人が現れたのかを調査する。事前の調査で7月末の記事には集計人が存在せず、8月末の記事には集計人が存在する事を確認したため、調査対象は7月いっぱいの0時をまたぐ記事と、念のためその前後の記事もチェックした。

結果

集計人調査結果

結果としては7月18日の記事を境に集計人が登場している事がわかった。この時期にVTuber界隈に起こった出来事といえば、やはりにじさんじ甲子園だろう。

記事の内容もにじさんじ甲子園をきっかけとして盛り上がったにじさんじに絡めてホロライブを煽る記事が連投されていた時期だ。また、同月1日に前述した桐生ココ氏の引退、その前日には元にじさんじ鈴原るる氏の引退と、両陣営にとって大きな衝撃ともなるニュースが重なったことも関係するかもしれない。集計人は当時100コメをろくに超えないVTuberの巣窟にいつのまにか現れ、数字を煽りを是とする土台を敷いていったのだ。集計人が現れた記事のコメントは目に見えて盛り上がり、10月をもって一気にあふれ出した…のではないか。

考察

調査の結果、7月半ばから現れた集計人を名乗る人物によって数字煽りはヒートアップ。10月までは0時の更新時のみだったが、10月を境として巣窟の全時間帯に数字至上主義が浸透したことがわかった。この要因としては元々巣窟で主流だったにじさんじアンチが、7月から10月にかけての賑わいにより活性化、よっぽどの場合を除いてにじさんじを煽ることができる強固な棒としてホロライブの同接を持ち出し始めたことではないかと考える。

そう考えると、今の時期と被る要因もあるのではないかと自分は思う。2月末に潤羽るしあの引退、続けてにじさんじ所属ローレン・イロアスの自粛、それに続くVTuber界隈の荒れ模様…今後もあくまで自衛の一種として、このアンチまとめサイトを観察していこうと思う。

感想

貴重な休日を費やしてしまったことに後悔しながらも、このnoteを書いている。VTuberの話題は日々事欠かないため、一日遅れるとついていけなくなる…というと、四天王登場時代を思い出す。最も、最近は負の側面を感じることが多くなってしまったが。土日もにじさんじ、ホロライブ、その他多くのVTuberにとって楽しみな出来事が満載だ。そしてあまり大きな声では言わないが、本日の夜から行われるであろうとある放送も意識して、急ぎnoteを執筆している。これが杞憂であり、ヒートアップしたVTuber界隈の対立煽りが少しでも収まることを祈りつつ、筆を置く。

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