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主役なのか脇役なのか

こんにちは、hanikuroです🐖

気づけば一ヶ月ほど何も更新していませんでした。別に忙しかったわけではなく、むしろ暇な8月でした。そろそろ何か書かなければと思っていたのですが、ちょうどソーセージをマスタードにつけて食べるときで、'私、粒マスタード好きよね、ソーセージが主役なのに…'と思ったのです。そういえばネギとか黒胡椒とか薬味や調味料なんかに好きなものが多いなーと。そこで頭に浮かんだのが「私は主役に興味がない??」ということでした。

よく考えてみれば、私はバンドでの推しはだいたいベーシストです。もはやベースという楽器が好きなのでは?という核心をついてしまいますが、どっちもかなということで勝手に納得しています。アイドルでもどちらかというとメインではないが人気があるという人を推していたり、なんなら人気ですらない(え?)場合もあったりなかったり…。ここで「私は脇役の方が好きなのでは?」という疑惑が浮上するのです。


裏方狙いの中学生

私が中学生の時の文化祭で、生徒達は学年全体で演劇部門と展示部門のどちらかに分かれて出し物をしなければなりませんでしたが、私は毎年演劇部門でした。それは衣装、小道具という役割をやりたかったから!実際に担当したのは全部衣装だったのですが、裁縫が得意というわけでもないのに楽しくて仕方ありませんでした。私が通っていた学校では、演劇部門でシナリオ(脚本)、監督、キャスト、照明、音響、大道具、小道具、衣装という役割分担があったのですが、監督以外は生徒が全て行います。監督は先生と生徒が共同で担当していた気がします。まずシナリオのオーディションがあり、ストーリーが決まったらキャストのオーディションがありました。私は人前で何かをするのが苦手なので舞台に立たなくてもオーディションで既にアウトの人間です(笑)。キャストになりたいなんて1ミクロも考えず、小道具か衣装の座を狙っていました。(やりたくても定員を越えたら展示部門に強制送還です)

無事、衣装担当の席をゲットした私ですが、キャストはやはり同学年でも目立っている子ばかりで、私はそのなかの一人の衣装を担当することになりました。童話をアレンジしたお話だったのでドレスやエプロンなんかを縫っていました、しかも手縫いで(笑)。「ミシン使えばいいのに」と親に言われていましたが、大変なのに何故か手縫いがよかったのです。今の私が当時の私にアドバイスするなら「ミシン使えばいいのに」。正直、丁寧に手縫いで頑張ったところで中学生に難しいものは作れません。それでもなかなか良くできた方だと思います(^^)!そして、舞台上で私が作った衣装を身につけたキャストの子が出てきても、観客が衣装に注目するということはありません、よほど変な造りでない限り…。でも、それでも舞台には立たない「衣装」の仕事がやりたかったのです。

演劇を作り上げる上で、主役はキャストや脚本家あるいは監督であり、音響、衣装や小道具などの裏方担当は脇役と見られていると思います。上演中は私が何かをすることはありません。でも、そのお陰で当日は他の観客たちと一緒に演劇を観賞することができ、舞台で自分が作った衣装が着られているのを見ることができました。そして観客の一人として鑑賞して、舞台で演じられる一つのストーリーがあり衣装がそこに馴染んでいたら、一仕事終えた達成感と共に何とも言えない嬉しさが湧き上がってきました。

今もSF映画を観るときはCGなんかの視覚効果もですが、衣装や小道具にも注目しながら製作現場の特典映像を見ています(笑)。特に衣装デザインは見ていると本当に楽しいです^^


なりゆきで舞台に立った小学生

小学生のとき、クラスの担任の先生がとても厳しくとても変わっていて、5科目(国語、算数、理科、社会)以外の科目に力を入れまくっていました。年に一日だけある学校行事で「写生大会」という名の全校生徒が絵を描く日があったのですが、普通は一日かけて自分の絵を仕上げて次の日から通常の授業をします。ですが我がクラスではほとんどの授業時間を潰してクラス全員が一週間近くかけて担任の先生にチェックしてもらいながら絵を描きあげるのです。今考えれば、義務教育として(教員義務として)そんなんで(授業しないで)大丈夫だったのか謎ですが、このような先生なので色々と他のクラスではやらないことをやっていました。

それは恐らく道徳か何かの授業から派生したのだと思いますが(記憶にない)、内容は差別に関するものでクラス全員参加(=全員キャスト)で黒人奴隷に関する演劇をおこなうことになったのです。先生発案なのでもちろん強制です。ほとんどの人が奴隷役で、数人が白人の雇い主の役という分担でした。何もかも自分達で準備するので自分の役に必要なモノをそれぞれ家から持ってきたり自作しなければなりません。アースカラーのTシャツやスカートはお母さんのモノを借りて持っていき(笑)、奴隷役の足枷は犬用の鎖を買ってきて重り部分は担任が学校で古くなったバレーボールをたくさん貰ってきたので私たちが自分の分を貰って黒く塗り、それを割いて中に自分で運べるくらいの重さまで石を詰めて(隙間は新聞紙など)鎖と繋いだ後、それを足首に巻きつけるというなかなかに手の込んだ小道具を作りました(←先生の指導)。そして肌の色も一番黒いファンデーション(白人役は白いファンデーション)を準備して顔や腕を塗っていき、奴隷役は頭のスカーフの巻き方もおでこ上に結び目がくる巻き方で、やたらこだわりの強い先生でした。

脚本ですが背景は史実が元なので誰が書いたと聞かされていたかどうかも覚えていません;; ただ、とにかく先生の演技指導が厳しかったことは覚えています。ナレーションも作中に私たちが何度か舞台の脇に立って交代で行うのですが、ナレーションでさえ感情を込めないと指導され、声が出ていないと指導され、演技では足の引きずり方がダメだの細かいことも怒られたりしました。もう一度言いますが、私たち普通の小学生です。そんなこんなで色んな苦労を重ねて子供なりに劇が仕上がりました。そして、校内で一度上演し、終わったかと思えば、しばらくして市か県のイベントの人権啓発劇として私たちが舞台に立つことになりました。そのイベントで劇が選抜されたのは2校で小学生は私たちだけのようでした。正直、大きな舞台は物理的に広いのでちょっと調子が狂いますが、スポットライトが当たって観客席が真っ暗でよく見えないので練習通りにできたと思います。もちろん、いくらよく見えないにしても、校内上演から見ず知らずの大人達が見に来るイベントでの上演は緊張します。それはさながらファンクラブ限定ライブからフェスに参加したくらいの差でしょうか(笑) 。ファンクラブ限定ライブもフェスも参加したこと無いけど。←

こういう経緯で舞台に立って演技をするという機会がむかーしむかしの私にもありました(笑)。正直、人前に立つのが大の苦手な私には貴重な体験だったと思います。厳しすぎる先生のせいで、ある意味、軍隊のような肉体的にも精神的にもしんどい小学生時代の話ですが(笑)、準備が大変だった分楽しい経験でした。他にも珍しい経験はたくさんしたし、辛いことも良いこともあったかなと思います。(一週間かけて描いた作品達も校内外で何度か入選してましたので、先生はステージママのような考え方と実力があったのかも…?!)


結局、モノづくり!

私は結局、キラキラした表に立とうが裏で汗水垂らそうが、突き詰めて言えば努力して何かを作り上げるということが好きなんだと思います。もし私が中学の文化祭でキャストをしなければならなかったら…最初は嫌だと言いながらも、やらないといけないなら一生懸命やっていたと思います。'あの'小学生時代がありますから(笑)。演技も研究して練習して作り上げるものですから慣れると楽しいのかも???

時代の流れなのか、最近の世の中では承認欲求が強い、つまり人に注目されて認めてもらいたがり'すぎている'人が多いようですが、目立たない役回りも悪くありませんよ?これは注目される役目を避けるべきという話ではなく色々と経験するほうが自分の人生を豊かにするのではないかということです。子供達の学芸会の劇でシンデレラや桃太郎が何人も居るようなものは、ちょっと歪んでいるなと思います(^^; 子供の希望か親の希望なのか、その気持ちはわかるのですが本当は大人が「全ての役が大事なのだ」と教えるべきではないでしょうか。

自分のやりたいことをするのは悪いことではありませんが、この世は絶妙なバランスで回っています。みんなが同じ役目になるとは限りません。自分の人生の主人公は自分です。しかし、世の中は誰か主役がいるのではなく、それぞれがそれぞれの人生を生きてそれぞれの役目を果たしているだけで主役なんていないと思います。言い換えたらみんなが主役というのはこういうことではないかと…。人から注目されて認められることばかりに囚われないで自分が自分を認める生き方や考え方をしたいものです😊私がメインではない人や物が好きなのも、もしかしたら主役以外に目を向けてみたくて無意識に気にかけているのかもしれません。


まさか小中学生時代のこんな話をブログに残すとは自分でも思っていませんでした(笑)。ちょっと変わった子供時代のお話でした。

今日も読んでいただきありがとうございました❤️

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