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次へ行くのだ。

前回noteに書いたのは、クラウドファンディングを始めた日だった。

あれから二ヶ月近く経ったのですね。(前回の記事はこちら

完成したガイドブックはこんな感じです(特設サイトへのリンクあり)。

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この数ヶ月、ガイドブックのことを進めつつ、とは言っても実際にページの内容を作ることと同じくらいかそれ以上に、紹介したいと思うお店や施設、商品や風景などの掲載をお願いすることに時間を費やし、飛び込みセールスのような気持ちも味わったりして、ともかく色々勉強になりました。

今まで、何かやりたいと思ったら勝手に一人で突き進んで発表、おわり。という自己完結でしたが、ガイドブックは一人で作れないというか、クラウドファンディングも取材も、どちらも多くの方の協力を得なければ成り立たず、ましてやそれぞれご事情があるお相手にこちらの都合を押し付けて何かを聞いたりお願いするので、自分の身勝手さを痛感したり、少し血の気が引くような出来事もあったりしました。

全体的にはあまり楽しい作業ではなかったのですが、耳寄りな話を伺った時や、何かを探して町歩きするとき、そして最後にレイアウトする作業は楽しかったです。モノを作るのは、たいてい楽しい事より大変な事、面倒な事の方が多くてナンボなので、この感覚は普段の創作にも通じるし、山登りやマラソンが好きな方もきっとそうなのかなって。

今は旅行などできない状況でも、ガイドブックを見て少しでもお散歩気分を味わってもらえたら嬉しいですし、お近くの方には、静かで「風景ひとりじめ」できるこの町で今こそ散歩していただけたらとも思います。お店の方も細心の注意を払いつつ、営業されています。

今月中に印刷費の支援者と協力先の方に完成品をお届けして個別にお礼を伝えて設置協力を各所にお願いしますが、またガイドブック完成後に「編集後記」などを書きますね。サポートしてくださった皆さま、本当にありがとうございます。

そんな私ですが、相変わらず自分の人生を「すごろく」に例えて暮らしています。今日はまたサイコロを振って「次」へ進む話をします。

私は昨年末ごろから仕事のかたわら一坪のお店(接客は駅ホームのキオスク風スタイル)をしていて、主に自作のポストカードやZINE、自分の本、古雑貨などを置いているのですが、そこで近々輸入販売を始めることにしました。

しました、と言っても決めたのは昨日です。

今の世界や国内の状況に、生活面で影響を受けている方は多いと思うのですが、私の周囲でも事業面で苦境に立たされているタイ在住の方がいて、その方が「今、この状況で何をできるか」考えて取り組んだのが、廃棄を減らして環境に配慮した質のいい布マスクということで、話を伺って思い切って仕入れることにしたのです(実はそんな状況になる前に、一時帰国されていたその方にクラウドファンディングヘ支援いただいたところだったので…)。

ということで、今回のヘッダーに使っているのは、この絵です。

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輸入と言っても、船便で送ってもらっていたらマスク需要も落ち着く頃だろうし、かといって航空便を利用すると送料がかさむということで、さて困った…

私としては、本業があってお店は自分の創作上のサテライトなので、まずは儲けを考えず、今の需要や供給のバランスについてはひとまず無視できないけどむやみに気にしすぎず、定番としてこの製品を地道に売る、という挑戦をしたいです。もちろんマイナスになっては取引を持続できないので仕入れ値に少し、商品の説明書きを兼ねたラベルをつける費用だけプラスします。

今回、知人のタイ在住の方が本業とは別に急遽立ち上げた生産チームによると、当該のマスクは100回洗えるワイヤー入り、内ポケット付きの高性能なエコ商品なのだそうです。

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これら、現地生産のマスクを買い取り、パッケージは自分で作ります。

誰かへプチギフトとして渡すのにも使えるようにしつつ、基本的には商品名と裏に説明書きを入れた紙の帯を巻いたり説明の紙を袋の外に貼ったりする簡易包装を目指します。見本ではロゴシール風に見えますが、説明の紙に印刷します。シールだといろいろ無駄があるので(細かい情報ですが)。

mask_アートボード 1

価格も検討中ですが、料金表を見ると航空便を含めた原価が一個あたり500円ほどするので、個包装やラッピングの手間など…計算すると最低でも税込650円程度になるのかなぁ、と。本当は600円に抑えたいところですが、ここでデザイン費や商品使用図の作成料について考えておきたいのです。

冒頭に書いたクラウドファンディングで制作中のお散歩ガイドブック(16p)の例でいくと、印刷費は皆様のご支援で成立したのですが中身の制作は自費でした。仕事で同じボリュームの作業をした場合、(取材やテキストの原稿料は入れず)イラストとデザインだけで少なくとも数十万になります。それについては自分の考えでそうしたのですが、今度の場合は他者から仕入れて卸もする「取引」なので、自分の作業(包装や配送など)と仕事(デザイン)の分を加算しないと、今まで散々気軽に「ちょっとデザインお願いできますか〜」と他者から言われてきた状況を、デザインは「ちょろっと描いて」できてしまうというイメージを自ら認めることになるよなぁ、と。オリンピックのメインロゴのあの一件も含め、「デザインとは…」って普段からよく考えるのですが、こんな時こそ自分の仕事をないがしろにせず、一円でも五円でも、そこにプラスしたいです。あ…つい語ってしまいました。

そんなわけで650円で売る可能性がありますが、100回洗えるそうなので(100回も洗うことは現実的ではないけど)まぁ例えば10回洗うとしたら一回利用は65円だし何とかいけそうな気がしますが。

私の店は仕事の都合で休むことも多いので、知り合いに卸販売もやってみようかと考え、その際はパッケージをもう少しシンプルにして、例えばホテルに泊まった時のアメニティ(ブラシとかシャワーキャップなどのパッケージ)のイメージの方がいいかもしれません。

mask_アートボード 1 のコピー

マスクは「何度も使える」ということで、廃棄を少なくして環境を考慮したものであることを示すため、Sustainable-Mask(サスマスク)とメーカーさんの方で名付けられています。本来のロゴにはメビウスの輪をイメージしてあるそうです。

急な話で、生産者チームから送っていただいた丸い方のロゴの文字がアウトライン化されていなくて、円の中の文字が別フォントになっているのですが、まぁ、それだけバタついているのかなと。

素材は、キャンバス生地もあったのですが、柔らかいサリュ生地のものにします。ただサイズイメージを見ると、Lが大き過ぎないかしら…それともMが小さいのか?その中間が欲しいような気がするけど…まぁそんなことを言っている場合じゃないか。

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性能としてはマスク自体が3レイヤー(3枚の生地の層?)になっていて、内ポケットにティッシュやキッチンペーパー(フィルターとして使う)を使うと5レイヤーになるとか。息苦しくないのか、実際に売る前に試してみなければなりません。ポケットは、自分の経験上、花粉症の人には便利かも。鼻に心地よいアロマオイルをスプレーしたティッシュを入れておいたり、鼻水が出たらポケットのティッシュで拭くこともできるので。

この時期にアナウンスすべきは、お医者さんが使うN95マスクに近い性能のものをヒントにしており、顔にフィットするようにワイヤー入りで縫製も綺麗に丁寧に作ったもの、という点なのですが…ただ医学的根拠は雑貨デザイナーの私には「?」なので、輸入代理店としては少し別の視点で売りたいです。

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マスクの効用としては以下のものがありそうです。

1.内からと外からの飛まつを防ぐ

2.この時期、世間的なマナーとして

3.外出先で自分が気づかぬうちに汚れた手で鼻や口を触るという無意識の行動を防ぐ

4.鼻や喉の乾燥を防ぐ

この4点があるとすれば、特に3、外出先でどこかを触った自分の手で不用意に自分の粘膜に菌やウィルスをつける事を防ぐためと、4、睡眠時などに喉の乾燥を防ぐためなどに、この洗えるマスクを使っていただきたいです。ハニホ堂ではあまり高性能はうたわず、シンプルに「粘膜を守るマスク」としてオススメしていきたいですが、平常に戻った時に、使い捨てマスクに対するものとはまた違ったニーズが世間にはあるかもしれないので、それも掘り起こしたいです。

そんなわけで、これらを4月中旬から発売します。4月末まではお一人3枚までとします。

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軽いものなので、数枚程度なら実費をいただけば(180円のスマートレターなどで)郵送可能かもしれません。詳細はまだ決めていませんが。

お店を開店した経緯を書いた時と同じように、結果ではなく過程を書くほうが自分には意味があるのかなと思っているので、宣伝を兼ねて今日はこんな話を書きました。

ご興味ある方は4/15〜18頃にハニホ堂のサイト(newsのページでお知らせ)か私のツイッターをご覧ください。

いつもそうだったのですが、今できることをやる。今したいことか、今誰かのためにできることがあればやる。その中で楽しみや一瞬のきらめきを探す。それしかないですね。

みなさまどうかお大事に。