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5月17日、朝5時を少し過ぎたころのはなし

朝の街を歩いた。

手紙を書いたのでポストまで、と思ったのだ。
今日、ポストまでこのあと自分が出歩くか、と聞かれると自信がなかった。
うちは、スーパーよりポストの方が遠い。
それに、書いてしまった手紙は
手元に持っていても落ち着かないので、すぐにポストに投函したくなる。

せっかくだし、朝の街を歩こう、と思った。

夜も好きだけど、朝も好きだ。
早起きの朝じゃなくて、
昨日の夜から続いている、というほうの朝。

深夜連を終えて帰る始発の、
あの、夜と朝の入り混じっている感じ。
わたしはまだ、夜の方にいる、あの浮足立った感覚。

ここ4〜5年は、10時から19時で仕事をしていたので
早起きをすることはなく、いつもぎりぎりまで眠っていた。
休みの日はもちろん、早起きなんてしない。

だからこうして、
朝の時間をのんびり散歩できるのは、無職の特権だ。そんな風に思えた。

5月17日になった朝。
この街は、昨日より5度高くなるという予報だったけど
昨日の雨の名残で、ひんやりとしていた。

誰もいない朝は、世界を独り占めしているような気持ちになる。
(ひとりだけすれ違った。たぶん、夜ではなく、朝の住民)
自堕落に暮らしているけど、ほんとうに朝が来るんだなあと思いながら
少しだけオレンジの空を見た。

この街の朝は、花の匂いがする。
花が咲いていることには気づいていたけど
日中は、花の匂いに気づかなかった。

家の前に花を植えている人も多く、
花の名前はぜんぜんわからないけど、
この街は、かなりたくさんの色に彩られている。
たしかに、その花の香りがした。

近所のスーパーに、1台車が吸い込まれたあと
大きなトラックが止まっていた。
朝5時。
現在9時から営業しているスーパーは、
こうやって朝から商品を補充してくれている人がいて、成り立っていることを知った。
いつもありがとうございます。


家はもう、電気をつけなくても煙草を吸えるくらいには明るい。
そして、家の中は少し、あたたかかった。

5月17日の、朝5時を少し過ぎたころのはなし

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