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手渡されたチケット

チケットが取れてしまった。
驚いている。

沖縄の友達が「東京へ行く」「チケットが取れたらね」と引用ツイートしていた。
ツイート元を確認してみると、チケットというのはレッチリのライブのことだった。
そうか、レッチリ来日するのか。

わたしが知る限り、友達が東京に来るのはとても久しぶりで、ぜひ会いたいと思った。
そしてもし叶うならば、わたしだってレッチリを見たい。と思った。

その日のうちに、共通の友達に話をした。
会いたいし、ぜひ見たいね。と言ってくれた。

そして翌朝、沖縄の友達に「一緒に行きたいです」と告げた。

わたしがレッド・ホット・チリ・ペッパーズを好きだと言うと、
多くの人は「知らなかった」と答えるだろう。
そうだよね、一度も言わなかった。
洋楽だと、Radioheadが好きだという設定だった。
それも間違いない。

レッチリは、かつてそれほど印象深い存在ではなかった。
軽音部で、レッチリのことを好きな友達がいて、
ていうかなんかみんなレッチリは好きだったような気がする。
アイコン的な存在だった。
アニメ「DEATH NOTE」の主題歌がレッチリだったのって、わたしたちが大学生のころだっけ?

大学を卒業して、ライブハウスで働き始めたあとも
大学生がレッチリをコピーしている現場には何度も出くわした。
そして、「ああこの曲好きだなあ」と思って聞いていたりすると、レッチリの曲だったことが多かった。
それから、ときどき聞いている。

なんていうと、けっこう淡白な間柄のような気にさせてしまうかもしれないけれど
レッチリとRadiohead以外で、わたしは来日公演のチケットを取ろうとは思わない。

もしかしたら「一緒に行きたいです」なんて言われて、相手も驚いたかもしれない。
「おまえレッチリ好きだっけ?」て思ったと思う。

実際に、君よりは好きじゃないかもしれないけれど
わたしなりに愛している、と思う。
そして、君と一緒にライブに行けたら楽しそうだ。と思っている。

だから「チケットの発売時期がわかったりしたら教えてね」と伝えてあった。

でもまさか、チケットが取れると思わなかった。
その日の夜に「チケットが先行で発売されている」と連絡をもらい
購入までの導線はいろいろ尋ねられて手間だったけれど、すんなりとチケットが取れてしまった。

レッチリだぞ?
あなたがレッド・ホット・チリ・ペッパーズを知っているかわからないけれど
レッチリを知っているならば、みんなライブに行きたいんじゃないのか?



レッチリを好きなんて言ったことはなかった。
でも、友達のツイートを見つけた翌夜にはチケットを抑えていた。

もし、あのとき
わたしが君に話さなかったら
話すことを後回しにしてしまっていたら
「あのときね、言おうと思ってたんだけど」なんて言って
チケットは取れなかったんだろうな。

「一緒に行きたい」って言っていたから
「チケット発売してるよ」って教えてもらえたんだよなあ。

今日は、そんなことを噛み締めている。

僕なんかが、と思うことがある。
よくある。
もうちょっと固めてから、と思ったりする。
だいたい、そんなふうに生きていると言っても過言ではない。

人と比べたら熱狂的なファンではないのに、
わたしなんかがライブに同行してもいいのかなあ。とか

ライブに行きたい、なんて言うならば
もうちょっと新譜を聴き込んでから考えたほうがいいのかなあ。とか

礼儀正しいことと、自虐は違う。
そして、用心深いことと臆病であることも違う。

「やってみよう」って
「一緒に行こう」って
なんだかもっと、かんたんなことだった。

「一緒に行きたいから、手を貸して欲しい」って
笑って言えればよかった。
できなくて叱る友達なんていないのに。
「どうして言わなかったの?」って言ってくれる友達ばっかりなのに。

ひとりでずいぶんとながいこと
この場所に座って、書いたり弾いたりしてきた。
弾くことに関しては、もうすぐ1000日になる。
書くことは少し休んだりしたけれど
書くことを決して忘れない1000日間だったと思う。

誰かがいないと誰もできないことがコンプレックスだったわたしは
したたかに、ひとりでも平気になりすぎてしまった気がする。

ひとりが平気なことと
友達を大切にすることは、同時に存在するべきだ。

今日、君と話してよかった。と思っている。
君のおかげで手に入れられた未来がある。
これは、君から手渡されたチケットで、わたしが手を伸ばして受け取ったものだ。

わたしはまた、君と話してゆきたい。と思っている。
話してゆきたい、と思いながら暮らしてゆくことを
忘れずに生きてゆきたい、と思っている。




※now playing

わたしの知ってるレッチリだった





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