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「努力すれば必ず...」と信じるれば信じるほど苦しくなる時もある

「頑張れば絶対にできる!」
「諦めることなく続けることが大切!」

と、ついつい言いたくなってしまいませんか。

ぼくもそうでした。

いや、今でも少しだけ思っています。

それは、自分自身に対してもですし、自分が大切に思っている人にもです。

もちろん、そのような「激励」が功を奏すこともあるでしょう。

ただ、それ一辺倒だと、もしかすると「余計な苦しみ」を生むかもしれない。

そんな記事を書いてみようと思いますので、ぜひとも、興味本位で読んでみてくださいね。

▼根拠のない「褒め言葉」が、壮大に的を外すパターン

大前提として押さえておきたいのは、「信じる気持ちは力になる」ということ。

これは、科学的にも証明されています。

「自分の能力は努力次第で成長する」という「柔軟なマインドセット」は確実に役立つでしょう。

ちょっと極端な例ですが、成功確率が高いパーソナリティーとして知られているのは「ナルシスト」。

どのような状況においても、「自分って最高だぜ!」と思えることが最大の力であると思わされます。

ちなみに、あなたの近くにナルシストがいるのであれば、巻き込まれる前にそっと距離を取ることをおすすめしておきます。

ただ、「自分を信じる」という気持ちは、「他者からの押しつけ」で高まるものではありません。

「自尊心」とか「自己肯定感」が大切と言うことは重々分かっているのですが、いくら周囲の理解者から「すごい!」と称賛されたところで高まっていくことはありません。

無責任な言い方をすれば、「恐怖に打ち勝って行動したことから自己肯定感は高まっていく」のです。

人間は基本的に「お世辞を言われていると分かっていても嬉しくなる」動物ではありますが、その本質の部分は、本人が一番よく分かっているのではないでしょうか。

だからこそ、失敗とか成功にかかわらず「よし!一歩前進したぞ!」という行動を伴った達成感が「自信」につながっていくのです。

しかし、そのようなびみょーな部分を分かっていないぼくたちは、とりあえず、

「頑張ったね!」
「よくやった!」
「最高だったよ!」

みたいな言葉を投げ込みがち。

もちろん、

「まだまだだぞ。」
「もっとできただろ!」
「次はもっとうまくやれよ!」

という言葉を送るにはかなりの勇気がいる。

ただ、先ほど触れた「マインドセットの力」の第一人者であるキャロル・ドゥエックさんも言う通り、

「本人の実力が存分に発揮されていないと感じた時は、『もっとできるよ!』と声をかけてあげる必要がある」

のです。

だからこそ、褒め言葉というのは、ここぞ!というときこそ慎重に使った方がよいのかもしれません。

本人は「もうちょっとできるはず…」と思っているのに、「最高!」なんて声をかけるのは、壮大な的外れですからね。

もちろん、相手との関係性を築いた上のことですよ。

初対面で気心知れていない人に対して、「さっきのあなた、全然だめだったねー。」なんていったら、話をするチャンスは二度と訪れないでしょう。

▼根拠のない「期待」が「苦しみ」になるパターン

さて、こんなパターンはいかがでしょう。

「本人は限界を感じているんだけれど、『絶対にできるよ!』とめちゃくちゃ応援されてしまう」

なんてこと、経験ありません?

ぼくは、やりがちでやられがちなので、どちらの気持ちも少しばかり分かるのですが、このパターンの人間関係もなかなか難しいですよね。

ただ、応援する側として心に留めておかなければならないことは、

「人生においてチャレンジした全てのことにおいて結果を残さなければならないということではない!」

ということ。

さらに、

「自分に向かないことに対して時間をかけるほど人生は長くない!」

ということも。

ぼくのような40手前のおっさんが子どもの頃は、「全てにおいて器用にできる子ども」、いわゆる優等生タイプがもてはやされていましたので、「ちょっと向いてないかも…」と思ったことも、

「やればできる!」

の一辺倒で押し切られても、「そうだ、ぼくはできる!!!」と信じようとしていました。

しかし、どうでしょう。

本当に、人間は全てのことをそれなりのレベルでできるようになるのでしょうか?

もしも、全ての人が全てのことを同じレベルでできたとしたら、何が楽しいのでしょうか。

それよりも、他者から「すごい!」と心から称賛されるようなことは、「他者とは違った特別なこと」なのではないでしょうか。

だからこそ、今を生きる子どもたちには、基本的なスキルを身に付ける中で、「自分に特化したスキルを磨く!」という方向へシフトしていくことも自分の人生を切り開く道の一つなのではないかと思うのです。

ただ、ぼくのような余計なおっさんは、

「君ならできるよ!」

と、綺麗ごとを並べて、本人がとうに可能性を感じていないことをごり押ししてしまうような過ちを犯す。

その根底には、きっと自分の子ども時代があるのでしょう。

だからこそ、ぼくたち大人は、生きていく必要最低限のスキルを学校で学びつつ、もっと「自分が好きな分野」が見つかるようにフォローしていくことが大切なのではないかと思うのです。

子どもが求めてない余計な期待という重圧から脱し、自分の可能性を追い求められるようサポートしたいものです。

▼まとめ

本記事では、「応援の仕方にも作法があるよ!」という内容をまとめました。

ただ、大人が「子どもの可能性を応援したい!」という気持ちは、痛いほど分かるのです。

だからこそ、ぼくたちは、「地域を上げた子どもの居場所」を運営しております。

もちろん、この居場所の運営には、子どもたちががっつり関わり、居場所の価値を高めようと日々、試行錯誤しています。

ぜひとも、共に活動を進めましょう!!



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