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「退屈」を感じる4つの状況とは

みなさんが旅行へ出かけるとしましょう。

「スケジュールを自由に組んでいいよ!」と任されたとき、あなたの計画はゆったりタイプですか? それとも、1分1秒を争うぎっちりタイプ?

先日、子どもたちを引率して宿泊体験学習へ行ったのですが、ぼくが計画したスケジュールはゆったり派でした。

いくつかメインになる活動を設定し、活動と活動の間の時間をゆったりと設定することで、余裕をもって切り替えができるからです。

しかし、そんなぼくの組んだスケジュールが合わなかった子どもさんもいました。

「先生、ひますぎ~。」
「何もすることがない~。」
「この時間どうしたらいいの~。」

という声が聞かれたのですよね。

1泊2日、友達と行動を共にする非日常体験なわけですから「暇」になるなんて考えていなかったぼくは驚きました。

同時に、「退屈って何なんだろうな?」とも感じ、ちょっとだけ調べてみたのです。

その結果、どうやら「退屈」と感じることは、ぼくたちに向けられたメッセージらしいと分かってきました。

そんな学びの成果をまとめましたので、ぜひとも読んでみてくださいね。

▼「退屈」の意味とは

「退屈」と聞くと、そんなに歓迎される感情でないような気がします。

しかし、ぼくたちに人間には無駄な感情なんてないのです。

実は、「退屈」は、「別のことを探しなさい!」というサインでもあるのです。

「あなたは今、退屈しているんだから、もっと刺激的なことを探してください。お願いします。」と促されていると解釈するのがよさそう。

この退屈サインから自己理解を少しだけ深めるとしたら、「あぁ、ぼくってこういう状況で退屈を感じるんだなぁ。」と気づきとして脳のメモに刻み付けておくことで、退屈状態を回避することができるでしょう。

しかし、長く短い人生において「全ての退屈を避ける」という選択肢を取り続けることは不可能でしょう。

だからこそ、退屈のメリットもご紹介します。

そのメリットとは「自分の内面に意識を向け、思考や気持ちに焦点化できる」こと。

忙しく活動していると、「これって何のためにやっているんだけっけ?」とか、「自分は本当にこれをやりたいんだっけ?」と活動の本質というか、自分自身に意識を向けることができません。

これは、「退屈」の反対側に「没頭」があるから。

どうしても退屈から逃れたい人は、何かしらに没頭する状態を作り出せば良いということですね。

しかし、忙しさに翻弄されていると、肝心な本質を見失っていることにさえ気づかないかもしれません。

そんな大切なことを教えてくれる状況こそ「退屈」なのです。

▼退屈を感じる4つの状況とは

さて、退屈の大切さを知ってもらったところで、「どのような状況になるとぼくたちは退屈を感じるのか?」について書いていきますね。

退屈を感じる状況は、次の4つでございます。

①単調さ
②目的のない活動
③やらされている感
④簡単すぎる・難しすぎる

①単調さ

やはり、人間の脳は刺激が好きみたい。

「単純作業が永遠に続くなんて考えただけでも無理!」という人もいるでしょう。

お察しの通り、「単純作業」は、人間の退屈センサーを刺激します。

余談ですが、人間がつくり出した拷問の1つに、「1日中、とにかく穴を掘って埋める」というものがあります。

この単純作業は、肉体的な痛みを伴わないのですが、精神的なダメージは大きかったとか。

やはり、終わりの見えない単純作業を好む人はほとんどいないのです。

②目的のない活動

「電話をして寄付を求める仕事」に従事している人のモチベーションを爆上げしたのは、「寄付によって救われている人の話を聞いたこと」なんて研究があるのです。

何が言いたいのかというと、ぼくたちは「自分がやっていることに価値がある」という具体的なフィードバックがあるからこそ、やりがいをもって活動に臨むことができるということ。

自分の命の時間を投入して頑張ってきたことを、「えっ、それ?何の意味もないよ?」なんて評価されたら本当に居たたまれませんよね。

だからこそ、活動にはゴールが必要であり、ゴールが明確でない活動に対して退屈を感じる。

先ほど「穴を掘って埋める拷問」をご紹介しましたが、これなんてまさに無意味の真骨頂。

だって、掘っては埋める訳ですから、「俺たちって何のためにやっているんだっけ?」となった瞬間に負けなのです。

③やらされている感

続いての退屈をもたらす状況は「やらされている感」です。

人生の満足度をアップしたり、活動にやりがいをもつためには、「主体性」は必要不可欠。

さらに、自分が主導権を握っているという「コントロール感」が大きければ大きいほど満足度は高まるのです。

その反対側に存在しているのは、「やらされている感」。

自分の意思に関係なく、強制されて従事しているような状況ですね。

ふたたび「穴を掘って埋める拷問」を引き合いに出しましょう。

これが拷問認定されているのは、強制だからに他なりません。

例えば、単純作業であり、目的はないけれど、「好きな時に休憩を取ってよい」とか「1日の作業時間を自由に決めてよい」というルールであれば、かなりの精神的ダメージをおさえることができるのです。

そのような「コントロール感」を渡してしまうと、「今日は〇〇時間頑張ろう!」とか「疲れたから1回昼寝して、その後ペースアップしよう!」という目的意識を見いだしてしまいますよね。

だからこそ、「監視している人が『やめ』というまで続ける!休憩はなし!」という、なにも自分で決めることができない見通しのもてない作業は、精神的にきついのです。

④簡単すぎる・難しすぎる

これは、ゲームを考えてもらえれば分かりやすい。

子どもたちがこぞってハマるゲーム。

ハマる要因はたくさんあるのですが、その1つに「絶妙な難易度」があります。

基本的にゲームのプレイヤーは、「勝利」とか「成功」といったポジティブ要因を求めているのですが、だからといって最初から一度も失敗せずにクリアできるゲームをおもしろいとは思わないはず。

これは、ゲームの難易度が「簡単すぎる」故、つまらないということ。

簡単すぎるから退屈さを感じるのです。

かといって、難しければよいというものでもない。

何度挑戦してもクリアできないような激ムズゲームは、クソゲー扱いされて遊ばれなくなるでしょう。

実はこのような状況も退屈に分類されるのです。

だからこそ、おもしろいゲームは「ちょうどよい難易度」に設定され、ストーリーが進んで行く中で少しずつ難しくなっていくのです。

▼まとめ

本記事では、「退屈を感じる4つの状況」についてまとめました。

基本的にぼくたち人間は、常におもしろいことを求めているのでしょう。

ただ、「おもしろいことを求めてどれだけリアルな行動に移すのか」は、その人次第なのですが。

ぜひとも、「ひま~」と感じたのであれば、「これは、新しいことにチャレンジしろというサインなんだ!」と理解して、行動に移してみるもよいかもしれません。

【📚参考文献📚】
#退屈の心理学



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