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活動を「自分事」とするために大切にしたいこと。

無事に運動会を終えることができたJUNです!!

思い起こせば、今の学校へ異動して4年。初めて予定日に運動会を開催することができました。ということは、3年連続順延となっていたわけです。例年とは違い、規模を縮小した運動会でしたが、子どもたちのモチベーションMAXで臨むことができて本当に良かったです!!

さて、本日は運動会の話題。

とは言っても運動会に限らずなのですが、「みんなで参加」を求められるイベントには、子どもの「モチベ―ションの差」が気になるところです。当然のことなのですが、ここにはなかなか相まみえることができないすれ違いがあります。

気持ちのすれ違いを起こしてしまうのは、無論「教師」と「子ども」です。

教師としては、「心を一つに演技を完成させたい。」という熱い思い。しかし、子どもとしては「望んで参加しているのではない。」という腑に落ちることのない思い。

高学年になるほど、このようなモチベーションの違いが明るみになってきます。その「すれ違い」を解消するための手立てを本記事で話題とします。

▶変化が求められる行事の在り方。

教師として駆け出しの青二才の頃から「行事の在り方」には、変化が必要だと感じていました。

その理由としては、運動会はどうしても、

「運動が得意な子が主役の発表会。」

になってしまいがちです。某学校では、「子どもたちが運動会の内容を計画する。」という取り組みでシステムを改革した実践が紹介されていましたが、まさにそのような「かたち」が必要だと感じます。学校の当たり前をやめた。

どういうことかというと、運動会自体が悪いわけではなく、「教師側から提供された行事に子どもがのっかる。」という方向性に問題があるということです。方向性は、常に「子ども発信」ではなくてはいけません。もっと言えば、運動会だけでなく、音楽会、演劇発表会などなど、

「子どもが選んで自分の得意なことを企画し、自分が参加したい行事を選んで参加する。」

ような取り組みが最強ではないかと思っています。

しかし、ここまで大きな変化を最初から望むことはできません。今年もそんな「もやもや」を晴らすことができぬまま、運動会が近づいてきてしまったのでした。

▶子どもに参加を促す手立て。

さて、システムについて僕一人がわーわー言っていても変わっていかないのも組織の在り方です。

だからこそ、「もともと気が進まない。」子どもたちにも「まぁ、参加してもいいか。」と思ってもらえるような手立てが必要なのです。じゃないと、毎年恒例の「ちゃんとやれ、やってます大会」が盛大に開催されてしまう懸念がありました。

今年は、「例年通り」では開催できないという社会情勢のため、「ソーシャルディスタンス演技」が求められました。

そこで、「もともと例年通りではない。」ということを逆手に取り、今年の演技は、「フラッグ」という飛び道具を使うことを提案したのです!

「フラッグ」を取り入れた理由としては、

・体操嫌いの子どもも、「旗を振り回す」という用具操作を楽しむことができる。
・単純に、旗をもつと振り回したくなる。
・ソーシャルディスタンスのおかげで、思う存分旗を振り回せる。
・旗を振り回すことにより迫力のある演技となる。
・100人近い子どもが旗を上げるだけで見栄えがする。

新参者を取り入れるための理由付けはいくつもできますが、ざっくり言うと、

「みんな楽しくできる!」

ということに落ち着きます。

何とかして予算を確保した僕たちは、次の手立てに移行しました。それは、

「旗を自分で作る!」

という作戦です!!

さすがに布を手作りはできないので、購入した布を「藍」で染め上げ、「世界に一つだけの旗」を作りました!!

そして、5年生から始まった家庭科の技術を総動員し、旗を縫い上げます。縫いあがった旗を棒にしっかりと固定して、「フラッグ」の完成です!!

しっかりと紐で結んだ瞬間から、手立ての効果を実感する結果となりました。子どもたちは、次々と、

「先生!! 旗を振ってきていいですか!!」

と申し出て、校庭へ飛び出していきます!! そして、延々と旗を振り回し続けたのでした!!

そして、戻ってきた子どもたちの言葉は運動会の成功を予言しているかのようでした。口々に、

「先生!! 早く演技をしたいです!!」

と、モチベーションが既にMAXなのです!!

▶活動が「自分事」になった姿とは。

さて、旗が完成し、運動会の練習が本格的にスタートしました! 少しずつ、全体像が見えてくる演技。子どもたちは、いつも以上に演技の練習を楽しみにしています。

そして、奇跡は起きました。

「先生!! 演技を練習したいんですけど、いいですか?」

という子どもたちの発言が聞かれたのです!!

まさに、活動が「自分事」となった瞬間でした。

教師の役目は、安全に旗を振りまくることができる場所を提供して終了です。練習場所の体育館では、日々たくさんの子どもたちが集まってひたすら踊っている姿が見られました。

初日こそ、ステージの上に立ってお手本を見せていたのですが、子どもたちが踊れるようになると、次々と「子ども先生」が現れ、子どもだけでも練習が進行していくようになったのです!!

これこそ、「活動が教師の手から離れ、子どもたちのものとなった。」と言える姿でしょう!!

▶まとめ。

本記事では、「活動を『自分事』とするには、思い入れが大事!!」という内容をまとめました。

残念なことに、例年通りだと「運動会の練習を増やそう!」という教師の提案に子どもの反応は芳しくない場合もあります。しかし、今年は、「練習はしないんですか?」と子どもたち側から提案されたほどでした。その期待に反し、むしろ練習回数を減らすことができたのです。それだけ、1回の練習が捗ったということも言えるでしょう。

「例年通り」が通用しない今年だからこそ、子どもたちを本気にさせる運動会についてより良い方法を試行錯誤することができました!

子どもたちが見せてくれた良い姿を、来年度の運動会に生かしていこうと強く誓うことができた演技となりました!!



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