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なんとなく「グループ学習」をするのであれば、最後まで「個人追究」の方が学習効率が上がる理由。

基本的には、「単独行動」が好きなJUNです。

しかし、この年にもなると、一人の限界は痛いほど分かっております。

だからこそ、「チーム」や「コミュニティー」というのはとても大切。

しかし、そんな考え方に少しだけあらがって、「ときには単独行動しようぜ!」という内容を書いてきました。

もちろん、「時」と「場合」によりますので、チャンスを見あやまらないようこのまま読み進めてみてくださいね。

▼まちがった「グループ学習万能論」。

「学校」の授業では、さまざまな学習形態がとられています。

その代表選手として君臨するのは、

「個人追究」
「グループ学習」

の二大巨頭でしょう。

この二大巨頭をならべて考えたとき、

「個人で解決できない問題は、グループで考えることで解決できる。」

という「グループ学習万能論」をうっすら感じられます。

「いや、私は意図的・計画的に学習形態を工夫していますから。」といわれたらグーの音も出ないのですが、「まぁ、なんとなくグループで話し合ってもらえばいっか。」程度の手立てであれば見直した方がよいでしょう。

というのも、「グループ学習にすることで、学習効率が落ちる」という場合が存在するのです。

ミネソタ大学の心理学教授、マーヴィン・デュネットさんは、「個人作業とグループ作業の成果の違い」を比べました。

実験参加者は、4人グループに分けられ、様々な問題が提示され、それぞれ「アイデアを出すこと」を求められたのです。

その結果がおもしろい。

なんと、

「24組のうち23組がグループよりも個人で考えたほうがより多くのアイデアを出した。」

というのです。

「いや、アイデアは量より質でしょう?」という方のために付け加えておきますが、

「個人作業で生まれたアイデアは、グループ作業で生まれたものと比べても同等かそれ以上だった。」

というので文句なし。

この実験から、「グループよりも個人で考えた方が効率がいいかも!」ということが示唆されたのです。

この実験が行われたのが、1963年であり、その後、40年の間に何度も同じような内容を実験が繰り返されましたが、つねに同じ結果を示しているということなので、かなり信頼度は高めのもよう。

組織心理学者のエイドリアン・ファーンハムさんは、

「やる気がある人々には、創造性と効率が最優先で求められる場合には、単独作業を進めるべき。」

と主張しているくらいです。

ここまで言い切られると、「グループ学習」のタイミングを見直さざるを得ません。そして、新たに浮かび上がる疑問。

そもそも「なぜ、グループ学習は効率を下げるのか。」ということが気になりますよね。

次章では、その答えをさくっと書いていきます。

▼なぜ、グループ学習は効率を下げるのか。

さて、深掘っていきましょう。

「グループ学習」の効率がわるい理由として次の3点があげられます。

①社会的手抜き
②活躍場面の少なさ
③評価に対する不安

#内向型人間のすごい力

それぞれについて解説していきます。

【グループ学習の問題点①】社会的手抜き

1つ目の問題点としてあげられるのは、「社会的手抜き」でございます。

これは、働きアリの実験でも確認されているので、どこかで聞いたことがあるかもしれませんね。

簡単にいうと、「みんながんばって話し合っているから黙っていてもいっか。」という手抜きが起きるということ。

説明しながら思い当たる節がありまくりなのですが、人数が多ければ多いほど手を抜きやすい環境は整います。

もともと「やる気」の違いがある「個人」を「グループ」にしてしまうと、ますます「やる気格差」が明るみになり、「がんばる組」と「手抜き組」に分かれてしまうことさえあります。

注意しましょう。

【グループ学習の問題点②】活躍場面の少なさ

2つ目の「活躍場面の少なさ」というのは、「グループ学習」の宿命ともいえます。

ざっくりいうと、「主役が回ってこない問題」といえるでしょう。

「グループ学習」でも、それぞれに「役割」や「目的意識」がある場合はよいのですが、「みんなでアイデアを出しましょう」となると、

「だれかが話をしている場合、その他の子どもは黙っている。」

というお約束になりますよね。

「グループ学習だから仕方がないじゃないか。」といわれたらそれまでなのですが、ここでも「やる気格差」が目立つこと受け合い。

十分に目的意識を高めてからの「グループ移行」が必要なのです。

【グループ学習の問題点③】評価に対する不安

最後は、「評価に対する不安」という問題。

これは、「グループ学習ならでは」という問題ではありません。最近、いたるところで話題となる「心理的安全性」の問題。

「グループ学習」では、子どもたち同士の物理的、心理的距離は、近くなりますよね。

だからこそ、「この意見を伝えたらみんなはどう思うかな。」ということを必要以上に気にしてしまいがちになるという心配があります。

だからこそ、「グループ学習」を取り入れるためには、前提として「話し合える安心感」のあふれる「環境づくり」が必要です。

もしも、互いに顔見知りでないような高ハードルな場合は、

「互いの意見をしっかり聞いて、絶対に否定はしないんだよ。」

という「ルール」を共有しておく必要があるのです。

▼まとめ。

本記事では、「グループ学習を取り入れることで学習効率を下げてしまう場合もあるよ。」という内容を書きました。

「じゃあ、グループで話し合おう!」と子どもたちにふると、教室内はとても画期的な空気があふれます。

その様子を見ていると「よしよし。」と何となく満足してしまうのですが、もしかしたら

・目的を見失っている
・言いたいことが言えない
・自信をなくしている

なんて子どもさんが隠れているかもしれません。

「グループ学習」というのは、授業形態として絶対にもっておきたい手立てですが、充実させるためには、かなりの修行が必要そう。

最高の「グループ学習」となるよう、日ごろからこつこつ積み上げていきましょう。



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