読 読

・安部公房 他人の顔

・アンナカヴァン 氷

・図解中毒マニュアル1、2

・他人の顔
科学者の主人公が、実験中の事故で失った自分の顔を作り直そうとする話。それまでの自分と別に、形成した顔で暮らすための「弟」という人格を作り出したことがきっかけで、自身の「弟」に苦しめられ、最後は自分だったものが破壊されてしまう理不尽な話。面白かった

・氷
核戦争によって急激に気候変動が発生し、世界は巨大な氷の壁によって閉鎖されようとしている。その渦中でとある少女を探す「主人公」、いつも主人公の前に現れ、何らかのミッションを遂行し続ける中で同じ少女を追う「長官」2人に追われる「少女」の3人の視点から書かれる。
登場する全ての展開に脈絡はなく、終始観測者の眼前に広がる異常な状況について書かれている。全ての登場人物に一貫して名前が書かれていない。崩壊する世界を周る主人公、その主人公の前に現れる2人、どれも脈絡がなく登場するので、何度か読み返したが、分からなかった。突然竜が出てきても驚かないし、少女は何度も死んでは生き返るでもなく存在するし、長官は全部知っているし、主人公は常に少女を知っているので、どれもが何らかを精神的に示唆しているのだと解釈した。超常的な不安に巻き込まれる描写はどれもその瞬間の緊迫感が直に伝わってくるようで、とても面白かった。

・図解中毒マニュアル
イラストがインターネットで話題になっていたのを思い出したので読んだ。山本哲生氏のイラストがとにかく良かった。調べてもあまりインターネットには情報がなかったので、作品をもっと知りたい。身近な薬物の効能についても広く書かれていて、文章もすごく面白かった。イラストをまた見返したいので手元に置いておきたいが、今めっちゃお金がないので、機会があれば買っておきたい。

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