見出し画像

エースプレイヤーになるために(裏目的とシナジー)

わたしは数奇な会社員人生を送っている。
会社員が嫌で嫌で仕方がない内圧を抑え込んで、無理やり型に押し込んだため、ものすごく変な物質になってしまった。その最たる特徴が、評価のブレかもしれない。勤務する会社によって最低評価から最高評価まで極端にブレる。

最低評価は、わたしの会社員人生には谷底が2つあり(ダブルボトムだと思いたいものですね)、(株)スレイブ・エンジニアリングと(株)MVPパーティーで得たものだ。涙なしには語れないので、よければこちらの記事も読んでみてください。

現代の奴隷時代(↓)

最高評価は、(株)カネックスや(株)サイコパス・コンサルティングなどで得た。評価される理由としては、もともとスキルセットが合致していたことや評価者との相性もあると思うが、秘訣は「裏目標」にあるように思う。つまり、会社から与えられる目標とは別に、自分だけの目標をもって入社するのだ。その目標は、自分の胸だけにしまっておく。

たとえば、エースプレイヤーと呼ばれたカネックス。わたしはその当時、とにかく文章力を上げたかった。少し前に小説家デビューしそうになったこともあり、いずれ文芸の方向に進もうと考えていた。

入社して、さっそくピンチが訪れる。社員が大量退職したのだ。社内でもっともきついと呼ばれてた大型プロジェクトから人材が消えた。当時のエースディレクターとエースデザイナーが消え、TOEIC900点越えのサブディレクターが消え、顧客から肩書を重宝されていたパワハラライターが消えた。残されたのは入社間もないわたしと、現場に復帰するのは10年ぶりという社長だけ。

わたしは、ディレクターとライターの二刀流を申し出た。もともとライター修業が裏目標にあったからだ。部長からは、過去にそんなことができたやつはいないので、やめておけと言われた。
周囲の予想に反し、わたしはこのプロジェクトを乗り切ることに成功する。社長から最高評価を得たことは言うまでもない。周囲からは、なぜこんなに頑張れるのか理解できなかったと思うが、わたしの感覚としてはたいして頑張っていない。ただ裏目標を実行に移しただけだ。

(株)サイコパス・コンサルティングでの裏目標は、その前職、(株)MVPパーティーへの復讐だった。自意識過剰な社員たちが、自分たちの村社会に適応できない人間を「仕事ができない無価値な存在」として馬鹿にする会社だった。

わたしは、彼らの村以外で、自分のプランニングとコンサルティングが通用することを証明したかった。結果、独自のメソッドが生まれ、いくつもの受注を勝ち取る。執行役員が二度見するくらいの利益率だった。
わたしは奪われた自尊心を取り戻すことができた。周囲からは、ものすごく独自の仕事の仕方をする人だと思われたろうが、わたしはただ自分の戦いをしていただけだ。

このように裏目標を設定することで謎の原動力を生み出すことができるのだが、高い評価に結び付く理由がもうひとつある。シナジーだ。目標、つまり目指すものを三角形で表すとする。会社の目標と自分の目標を同時達成しようとすると、2つの三角形を融合することになり、大きな三角形ができあがる(下の図を見てください)。

会社の目標を目指すだけでは、それを大きく超えることはできない。
そこに自分自身の裏目標をぶつけ、馬鹿でかい三角形を描くのが本物のエースプレイヤーだ。


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

ぜひサポートをお願いします!良い記事を書くためのモチベーションにさせていただきます!