ズッキーニのサラダとカブの味噌汁
結局、作ったのに食べ忘れてしまったのはズッキーニのサラダだ。
ポリ袋に入れて味をなじませていること自体を忘れてしまった。
夜中に食べたら、とても美味しく味が染み込んでいたので、サンドイッチにしたら、とても出来がよかった。
塩を振り、水を出したズッキーニの水気を丁寧にペーパーで取り、オリーブオイル、塩胡椒、お酢のドレッシングと和えただけなのだが、胡瓜より癖がないし、扱いやすい。
マヨネーズと粒マスタードを塗ったパンにスライスチーズとともに多めに挟んで完成。少し身体にいいことをしたようになる。
気のせいだ。
問題はカブの味噌汁である。
これは、『仕掛人・藤枝梅安』の六巻に出てくるレシピだ。
よほど池波先生が気に入ったのか、梅安が美味そうに食べるシーンがあり、さらに家に帰ってから、相棒の彦次郎に、どれほど美味かったか、そして作り方をどうするか説明するシーンまである。
何度も読んでいる小説であるが、このところ自分でもカブをよく買うので作りたくなったのだ。
カブをぐずぐずになるまで煮込む。ついマッシャーで潰すことまでした。あとはズルをして顆粒出汁を入れ、味噌を入れる。あしらいに小葱を散らした。
これが、
「え……?」
と、なるほど美味いのである。
梅安はこれを一口啜り、瞠目し、飯にかけてザクザクと掻き込む。さほどに美味い。
味噌汁はいつも作るが、同じ味噌なのに、こんなに感動したのは久しぶりだ。
ぐずぐずになるまで煮込むのがポイントなのだろう。
この味噌汁、また作りたい。
味噌汁といえば、昨日の朝方にトマト味噌汁を作った。
フルーツトマトが余っていたせいだ。
半分に切ったトマトを3個分入れて、煮込む。脇に少し新玉ねぎを入れた。
皮が弾けて、身が柔くなった頃合いで、顆粒出汁、味噌を入れた。そこに溶き卵一個分を流し込む。完成である。
トマトと味噌が合う、と言われてもなかなか試す機会がなかったが、面白い味だった。冷や汁にしても良さそうだ。