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短歌十四首 【2023年7月まとめ】


風に舞うからっぽのさなぎは蝶になる夢を見て風塵となれり

夏の別れ 父と見た土星のはまなうらに灼きつくノスタルジア

おさなごの曇りなき瞳に映されて 醜い感情清められゆく

雨上がり 娘と手をつないで歩く 陽光に花々のつぶやき

きみの手を取って駆け出す 夏空がきらめく恋を応援している

ぼろくそに傷つけられた心でもあなたの愛を受け止めたくて

夏来たり沙羅さらの花が落つる夕べ 報われぬ恋は終わりを告げた

憧れは恋だったんだと気づいた日 ミルクティーが生ぬるかった

いつもより早起きをしてなみなみと牛乳を注ぐ子らの休日

いつもコカ・コーラゼロを選ぶきみの伝わりにくい優しさが好き

よろこびて吾子が食らひし西瓜なれば種取る作業さへ手間ではなく

夏氷あふれてちひさき手のひらに時はずれの雪を降らせり

髪をく手つきにほろり、涙落ちて朧月夜のやさしさでした

誰の目にまらなくてもここにいる 僕の咲かせた茉莉花まつりかが香る

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