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短歌八首 【2024年1月まとめ】


【1月自選三首】

何も得ぬ人生だと思いたくないから北限を目指して歩く

遠き日の歌がきこえる てのひらで溶ける風花の涙のつめたさ

冬の夜の月かげ澄みて水底によこたふきみに花を咲かせり


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おさなごの今日のできごと聞きながら実家で囲む鍋はあたたかい

教えてよ懇々と胸の奥底できみが育てた夢のかがやき

太陽光発電パネルが整然と並ぶ田んぼの跡地にたたずむ

果てのなき憂いに苛まれる夜は鬼束ちひろの「月光」を聴く

もういやだ投げ出したいと思っても母呼ぶ声はサイレンのように


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