短歌十六首 【2023年8月まとめ】
ひたすらに求め合っても僕たちは激しき驟雨にかき消さる運命
無き世への道を閉ざせる通り雨 罪に染まらぬ濡れ色の百合
菩提樹は絶望をも蓋う どこまでも透明な青が続いていくなら
夏の星 映す清水をむすんでは 遠ざかる君の涙を呑み干す
君が行く黄泉路を焼き滅ぼせぬなら真っ赤な柘榴をひとつぶ下さい
会おうねという約束が散り残る 残暑見舞いを今年も一葉
灯籠を流した川の果てにいるあの子の愁いが晴れますように
星屑の空にさまよへり 魂きはる命耀ふ夏虫の軌跡
夕立に空も心も洗われて虹が架かれば生き直せるかな
じりじりと照りつける太陽、入道雲、夕立の後きみに会えた日
嬉しくてハートのかたちに切り抜いた気持ちをスクラップブックに貯めてく
鮮やかなひまわり畑を泳ぐときひかりをまとう魚となる子ら
どんな日も子らの元気な声響く朝を迎えられるしあわせ
さわやかな笑顔の裏に夏薊 きみが教えてくれた嘘でした
嬉しくていつも通りが難しい 夕凪のように微笑むあなた
旱星 スーパームーンに照らされたモアイ像の列に並びたし
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