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中高一貫ハンドボール②中1

子どもに番町皿屋敷聞かせて以来、「怖いお話してー」とせがんでくる。

毎日いくつも話していたので、もう手札がない。

そこで、

「水少なめでお米を炊いたら…こわかった」

と言ったら、

「は?」と言って去っていきましたとさ。


さて、前回はチームの活動方針などをまとめました。今回からは、各学年でのカリキュラムを書いていこうと思います。


中1の課題

メインテーマはベタですが、「土台作り」です。

充実した学校生活のために、通学・学習のリズムを作って楽しく過ごせるようにすることが一番大事だと思っています。

部活動で目標を持つことで自分を律することができるようになる思っています。(建前の目標ではなくて、本気で取り組むことが大事。)ある程度は勉強をサボらないようにするための指導もしやすくなります。

あくまで部活動は、学校生活を整えるための触媒に過ぎません。

別に部活動でなくても勉強でも行事でも、QOSLを高められるなら何でも構わないのですが、ハンドボールは競技特性として協力したり各人に活躍の場があったり、教育効果が高いスポーツだと思っています。


苦労

春から秋くらいの中1は小学生の延長みたいで、土台作りはかなり大変です。手がかかる時期です。技術指導以前の生徒指導が大変で、安全確保・応急処置・集団行動などは専門外ですから、相当お金と時間をかけて勉強しました。

どれだけ真剣に指導しても、生徒はいい加減なことをするし、大事なことを忘れます。部活動のすべてに責任を持つのは現在の学校制度では不可能です。でも、子どものためにって考えるとちゃんとしてあげたい。このジレンマがかなりしんどいところです。

ネガティブなことは書きたくないのですが、保護者には部活動の位置付けを誤解されている方もいらっしゃる(教員でさえいるのだから仕方ない)し、部活動のあり方のコンセンサスは取りようがないので、保護者にもしっかりチームのスタンスを理解してもらう必要があります。

僕自身振り返って、失敗の多くはここでの保護者への説明の丁寧さが足りなかったことが原因のように思っています。


練習計画

本校全体の平均運動能力は低いです。(何でもできるスーパーマンもたまにいますが。)ゴールデンエイジの最終期に多様な運動経験を積ませておかないと、その後スキル習得が追い付きません。なので、とにかく多様な運動経験と遊びです。(このコロナ期を家庭でどう過ごしているかはかなり重要です…)

一方で、夢中になる力はかなり高いと思います。毎年驚くような努力と成長を見せる部員がいます。

このあたりのギャップが彼らの萌え要素です。

練習内容としては、ハンドボールを楽しんでいくための基礎として、Coordinationトレーニングにかなりの時間を割きます。

2:2までは理解できなくてもまだいいかなくらいのイメージです。中学生だけでオールコートが使えたら、もう少し段階的に戦術も教えられるかもという気はします。

実戦練習はほとんどできないのですが、1年生の春からなるべく試合を経験させて、夏までにルールを理解覚えてもらいます。早く試合を観て楽しめるようになってほしいのです。

学力がある程度高い集団なので、ルールの理解は意識と自覚の問題です。2学期になってもルールを理解していない選手の評価は低くなります。


チームビルディング

部員人数が多すぎて全体の動向を把握したり連絡したりするのが大変です。そこで、毎年入部が確定した5月の時点で学年の幹部・マネージャー・GKの役割を決めて連絡系統を作ります。中2が普段の様子を観察して選び、本人と部員全体の意思を確認して決めます。GKの選出を最も重視しています。

試合→振り返り→課題設定→練習というサイクルの話し合いの部分が長い。作戦会議に熱が入り過ぎて練習が始まらないこともあります。

目標設定・練習ゲームのメンバー・試合の戦術・練習メニューetc.とにかく自分たちでどうすべきか考える機会を持ちます。僕が誘導している方向にだいたいは進むのですが、自分たちで試行錯誤するプロセスが大切です。


中学1年生大会

中1の総仕上げとして、2月に1年生大会があります。ユニフォームを着る機会の少ない中1にも大会を経験させてあげたいと思って、数年前に企画しました。本校は中2が監督をして、勝ち敗け度外視で全員試合出場できるように配分させますが、部員たちはいつも真剣勝負です。

少しハンドボールらしい動きや雰囲気になってきて、顔つきに成長が感じられてほっこりします。

余談ですが、中1にもこの大会によって登録費分の還元をしてあげられるかなと思っています。他府県では昔から開催されているのだと思いますが、ようやく県協会の行事となりました。


そして先輩に

中1の終わりには、間もなく先輩になるということを自覚させます。他者の目を意識して、男の子は徐々に少年から青年になっていきます。言い換えると、カッコつけるようになっていきます。休み明けの練習で、全身Impalで現れたり、みんなと違う派手な色のTシャツを選んだり…

後輩に抜かれると焦る子もいますが、中学の1年差は体格・経験値的に大きいので、現実にはずば抜けた選手がいても、中学の時点で先輩を超えていくのはせいぜい学年で1人か2人です。


長くなりました。それだけ中1に重きを置いているということです。

次回に続く…


安井直人

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