勝利をおごりなく信じ、戦うことが重要
帝京大学ラグビー部、岩出雅之監督の言葉である。
勝利をおごりなく信じ、戦うことが重要。
大学選手権で9連覇という偉業を成し遂げた名将のこの言葉は、ワールドカップで戦う日本代表の大きなエールになっていたに違いない。
(詳しくはナンバー誌の986号)
2015年ラグビーワールドカップのイングランド大会で、スポーツ史上最大の番狂わせを日本代表は起こした。
あのときは確かちょうど寮監の当直日で、生徒たちが寝静まった頃、夜中に一人でテレビ観戦していた。
勝てるわけがない。
と思っていた。もちろん日本代表を応援していたけれども、勝つことを信じていたかというと、信じていなかった。だからこそ、ラストのトライシーンには身震いするほどの感動があったことを鮮明に覚えている。
対して、今回の日本開催のラグビーワールドカップでは、多くの人が日本代表の勝利を信じている。このアイルランド戦も、勝てると信じていた。
もう奇跡とは言わせない!と、アナウンサーが叫んでいたが、勝利を信じていた全ての人にとって奇跡ではないことは確かだった。
勝利を信じていたのはサポーターであるが、勝利をおごることなく信じていた選手たちは相当な努力を重ねてきたはず。
信じるということと、おごるということは容易に結びついてしまう。日々の練習で成果を上げれば上げるほど、勝てるという自信につながる。ゆえに、勝つことを信じてやまない。
しかし、その自信ゆえにおごってしまうのが人の世の常である。かつての織田信長も豊臣秀吉も、ずっと昔から人間はそうやって歴史を重ねてきた。
だから、おごりなく信じた日本代表は満足することなく努力を続け、結果的に勝利を得たのだと思う。
あと2戦ある。どんどん日本代表を応援するサポーターは増えていくと思う。ルールが分からずとも、そのぶつかり合いに視線は釘付けになるはず。
日本代表の勝利をただただ信じて、観戦しよう。スポーツでみんなが一つになる瞬間が必ず訪れる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?