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#仕事つくる42 ゼロイチの熱

今回はこんなタイトルで。僕は百田尚樹さん原作の「海賊と呼ばれた男」が大好きで、小説でも映画でも何度もお世話になりました。

国を思う心。事業を思う心。従業員を思う心。物語の最初から最後まで主人公の国岡鐵造の熱に心を打たれっぱなしの物語。映画での岡田准一さんの演技もとてもよかった。特に好きなシーンは、ラジオ修理の事業で銀行からお金を借りる交渉をするシーン。理屈上困難であり諦め混じりのセリフを吐こうとした従業員に対して店主(国岡)が放った一言に幾度となく熱くなりました。

違う! 熱が足りんのよ!熱がっ

従業員に叱咤する国岡

創業期はこの一言に尽きると思います。そもそも、ゼロからイチをつくる工程では、現状の世の中には存在しないものを生み出していかなければならず、そこには通常ではない異常値が必要になります。その異常値が熱を帯び、人の心を惹きつけ、こちらに矢印を向けてくれるキッカケをつくります。

経験上、人は意外と感情で動く生き物だと僕は思っています。同じことを言うにしても、「誰が言うのか」「どのように伝えるのか」で結果は大きく変わってきます。こちらの熱量と姿勢次第で人様の行動を変えることができると信じています。これまで何度もそんな場面がありました。

効率を重視する時代においては必要のない摩擦熱かもしれませんが、僕自身これから挑戦を続けていく中でとてつもなく重要に感じていることなので、あらためて心に刻み込みたいと思います。易きに流れても異常値は生み出せません。厳しい言葉も受け止めて、それでも攻略していかんとする心をこれから先も持ち続けていきます。

AIにはできないこと

ここ2年くらいで色々なものの効率がAIの大衆化によって爆上がりしています。僕もchatGPTには日常業務をお世話になっていて、スポーツウェアのデザインにおいてはクオリティと効率の両方がこれまでの数倍上がりました。まだまだ進化は進むでしょうし、これから5年先どんな未来が来るかも予想がつきません。

そんな変化目まぐるしいAI時代において、人にしかできないことがあるとすれば、それは「責任をとる」ということだと思っています。責任の取り方が、謝罪なのか、お金なのか、命なのか。それはどうだっていいのですが、「何かあったら責任をとる」という姿勢は人だけが貫けるものだと思います。

思うに、これが熱の正体です。

そいつは本気なのかどうか。失敗した時にどう責任をとるのか。トンズラこかないのか。最後まで何としてもやり遂げようという心があるのか。心だけではいけない、ここまでの努力は足りているのか。言葉と行動が一致しているのか。

他人はここをよーーーく見ています。

そして、「こいつにならば任せてもいいか」となった時に人様ははじめて行動を変えてくれます。行動を変えるきっかけは理屈ではなく感情です。感情にはタイミングもある。昨日はだめでも今日はいい、朝はダメでも夕方ならいい、なんてこともしばしば。心ころころ。あてになるようであてにならない。姿勢一つ、タイミング一つで結果は変えられるということを改めて感じる昨今です。もし、これを知らずに諦めそうになっている人がいたら、もったいない。

勇気を持ってぜひトライしてみてほしいなと思います。

異常値が熱を帯び、熱が人の心を動かし、無から有を生み出していく。
今日はそんなお話でございました。


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