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仕事つくる#5 バイオマス事業は出口が保証された在庫ビジネス

こんにちは、私です。
昨日に続き猫のうんちくを一つ。
猫は複数のオス猫の子を同時に妊娠して出産できるらしいです!

というのも、猫は複数の卵子を一度に排卵する多胎型の動物なので同じ母親から生まれた兄弟でも同じ父親とは限らないのだとか。
じゃあオス猫は自分の子孫以外の子猫の面倒も見ることがあるの?と思い調べたら、交尾した後はすぐにどこかへ消えてゆくようです。

ほんまにチャラい。

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さて、本日はバイオマス熱供給事業はキャッシュフローがきついけど耐えたらなんとかなるよ!って話をする。これから事業を検討される方にはぜひ心得ておいていただきたい。

バイオマス事業のビジネスモデル

バイオマス事業のビジネスモデルについては、前々回のnoteにまとめているのでそちらをみてほしい。

簡単にまとめると、1)木質材を仕入れ、2)燃料をつくり、3)ボイラーで燃料を燃焼し、3)供給した熱代金を回収する。という流れになる。これはチップやペレット、薪といった燃料の種類を問わず概ね同じである。

イニシャルコストとランニングコスト

バイオマスボイラ設備は化石燃料のボイラに比べ、ボイラ本体が大きくなること、燃料供給装置が大掛かりになることなどからイニシャルコストが高めである。反面、燃料代は化石燃料に比べ割安である。具体的には、木材3~4kgで灯油1リットル相当の発熱量を持っているとされていて、グラフにするとこんな感じ(木材は水分40%)。

厳密にいえば、これにボイラ効率が加わる。バイオマスボイラは灯油ボイラに比べ配管が複雑である。その分熱ロスが大きいためこの差はやや縮まることを想定しなければならないが、それでも半額近く木質チップが安いといえる。そして、既存の化石燃料ボイラの年間燃料代より少し安い価格で販売しお客様にメリットを残した上で粗利を回収していくことが、我々運営側の稼ぐポイントになるわけだ。(ちなみに、地方自治体はイニシャルコストをどこまで抑制できるかとともに、ランニングコストを可能な限り下げることによって、投資回収にかかる年数をいかに短縮できるかを事業採算性として考える)。

それではいよいよ本題に入っていく。

なぜ在庫ビジネスなのか?

バイオマス事業を運営する上で最も大事なことは燃料を乾燥させることである。というのも木材というものは乾燥させることで発熱量をギュインっと上げることができるのだ!

上の図を見てほしい。山から切り出されたばかりの水分50%の原木がもつ発熱量は2,200kWh/tである。そこから15%まで乾燥させたとしたら約2倍の4,000kWh/tまで引き上げることができる(熱量で表すと、7.92GJ/t → 14.4GJ/t)。
ただ、ここで注意しておきたいのは、母数を重量ではなく体積で見なければならないということだ。乾燥させることで当然水分がとび軽くなるので、熱量/重量だと大きく変動してしまう。したがってここでは熱量/体積(㎥)に注目しなければならない。ただ、体積でみたとしても水分を50%から15%に落とすことで約1.15倍の低位発熱量UPが確認できる。熱で回収する売上に大きく貢献してくれることは間違いないのだ(でも自然乾燥だと水分20%が限界かな)。

そう、バイオマス事業がなぜ在庫ビジネスになるのかというと、乾燥させるために燃料材を一時的に買い込んでおく必要があるからなのだ

実際に弊社の薪工場でいうと、春先までに原木300㎥を買い込み、最も熱需要の高い冬場に備えている。なぜ春先までかというと、梅雨の時期に雨で濡れた原木は夏の炎天下のもとで一気に乾いてくれるからだ。

冬場のためにストックしている原木

生木の場合0.8t/㎥であるため、例えば6,000円/tで原木を仕入れると1,440,000円を投資する必要が出てくる。お財布的にはこれが結構きつい。。
また、チップであれば年間を通して製材所から出てくる製材端材を溜め込んでおく必要があるため、いくら端材が安いといっても財布を苦しめることには違いないのだ。

しかし、しっかりと計算して在庫を買い込んでおけば一年で投資回収ができる商売である。したがって、バイオマス熱供給事業は、出口の保証された在庫ビジネスといえるのではないか。

まとめ

前述で述べたように、バイオマス事業でしっかりと儲けるためにはランニングコストをいかに下げるかがポイントになってくる。当然導入の際にイニシャルコストを下げることは超重要なのだが、一度設置されてしまったら運営する側はランニングコストを下げることしかできない。そのために最も注力すべきは燃料を乾燥させることであり、在庫を買い込む覚悟で事業に挑む必要があるよってことを世界の中心で叫びたかった。

(木灰を畑やってるおばさんにあげたらイノシシのお肉もらえたよって話は需要あるのかな?)

ではまた。

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