好戦的

久しぶりに日記を開いた。

日記というほどでもない。
20歳の時に1人で松島に行った際に購入した、書き心地の良い大学ノートに、たまに思いつくままの文章を書いているだけ。

1番最初は2017年の1月。
いろいろと悩みを抱えた時、私はそのノートを開いてそのときの考えや気持ちを記していた。

1番最後に書いたのは2021年の8月。そこからパタリと書かなくなったのは、余暇の時間をすべて睡眠に充てるようになったからだと思う。

だけどそのノートのことは忘れたわけではなくて、以前の自宅から必要最低限のものを持ち出す際、絶対に忘れないように持ち出した。
ちなみに教員免許状は忘れてきた。

久しぶりにノートを開き、その時々の悩みや将来の不安を読む。
20代の私の、道に迷った時の考えが記されていた。

今思うと間違いだった選択もたくさんしたけど、全部全部、本気で悩んで決めていたことを思い出す。

そして私は、ずっと何かと戦っていた。
「負けるな！」「へこたれるな！」「背筋を伸ばせ！」
ページをめくるたび、そんな言葉が並ぶ。

いったい何と戦っているというのだ。
当時、そんなに風当たりの強い状況にいた記憶はないから、たぶん自分自身と戦っていたのか？
だとしたらかなり好戦的である。戦いすぎなのだ。

何に対してそんなに戦い意識を持っていたのか、今となってはわからない。
その戦いに勝ったのか負けたのかすらわからない。

結局そんなもんってこと。

新しいページに今日の日付を書く。
思いつくままに、自分のためだけの文章をしたためる。
何も考えずにペンを走らせ、気がついたらページの最後にこう書いていた。

「負けてたまるか」

また戦ってるんかい。
思わず独り言。

きっといつか、この戦いの結果すら気に止まらなくなる未来が訪れる。そう信じてる。

今日も私は文章を書く。明日も書く。
未来の私が笑い飛ばせるように。
こんな悩みなんてちっぽけだと、数年先に気がつけるように。