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💕引きこもり息子の自立、そして結婚🌺

HAPPY MOTHER’S DAY  その2

"I LOVE YOU MOM,WITH ALL MY HEART."
5月12日、日曜日は母の日。コストコから戻った息子から「お母さん、ありがとう!」と色とりどりの花束を贈られた。幼子を抱いたお嫁さんがニコニコと見守っている。

こんな日がくるとは想像もできなかった。

息子は順調に成長できた子ではない。
対人不安症を抱え、子供のころから初対面の他者とのコミュニケーションに困難をかかえていた。中学入学後は部活で暴力を受け、1年の夏休みから
不登校になった。

その後、社会に出るまでの軌跡は前回に記した。
学業を終え、就職活動で挫折した後は5年に及ぶ引きこもり生活に入る。

家では母と一緒に食事をとり、整容もキチンとしている。
この間精神科への受診を勧めるも何度も拒否。母だけが精神科医や保健所に
相談したが、本人が受診しないことにはどうにもならなかった。

引きこもり支援団体に一度連れて行ったが、息子は利用者の活動を
チラッと見ただけで気に入らなかった。
せめて親の会には私がしばらく参加して、他の方の経験を伺っていた。
またスタッフの家庭訪問を依頼し何とか息子との面会交流を図ったが、
息子は自室から出てくることはなかった。

どうしたら突破口が見つかるのか、しばらく悶々とした想いに囚われていたが、結局、親元にいるのが甘えから抜け出せない要因だと考えた。

今までとは全く違う環境に置こうと、沖縄に住む娘と相談してしばらく預かってもらうことにした。長期滞在なので仕事は姉の紹介でやらせることに。
沖縄旅行という名目で飛行機に乗せる。本人は久しぶりのバカンスなので
表情は明るい。片道切符で。
すぐ逃げ帰れないように余分な資金は持たせない。
普段はPCしか触れてないのに、着いたら牧場で牛の世話が待っているとも
知らずに。
その後の様子は娘から報告があった。なんとか頑張って働き、夜は地域の
若者たちと飲んでいるとか。ひ弱な彼がどうやって牛達を世話できているのかは気になったが、家で籠っているよりはずっといい。
また沖縄の人たちの優しさに心打たれた。成人してからは社会が子を厳しく育ててくれる。親が子離れの辛さに耐えなければ、子の成熟はない。

やがて、身体的に、精神的に健康になったところで家に帰ってきた。
が、母の庇護のもと、相変わらずのんびり過ごしている彼に言った。
仕事をする不安は変わらずあるだろうけれど、母の死後の人生を考えなければならない。自分の弱さに目を背けずに自覚して、克服する勇気と、必要なら助けを求める勇気、好きな分野だけではなく、出来る分野で先ずは初めてみること、歩きながら修正していくこと、食うために働くこと、などを。

人の役に立って、社会に参加して初めて自信が付き、好きな時にアーチストのライブにも行ける。

人生が回りだす。

そしてハローワークの相談員を通してついに就職出来た。上司にも恵まれて9年の間同じ職場で働くことができた。
その間結婚にも前向きとなり、マッチングアプリで知り合ったスポーツウーマンに出会って結ばれ、一児の父となることができた。

このお嫁さんが出来た人で、節約上手。明るく働き者である。どちらの両親にも頼ることなく、自分たちができる範囲で結婚や出産前後の費用を賄ってくれた。
日々色んなイベントを通して、新しい家族の歴史を作っているのがなんともほほえましい。
マッチングアプリは条件戦争なのに、外見も好みだったろうが、息子の内面をみて決めてくれた。

結婚によって彼はようやく大人の男に成長した。
わがまま坊主が初めて自分より大切な人が出来、守るべき家族が出来て、
他人への思いやりが育ってきた。何も手伝いをしなかった男が、家事も
率先してやっている。母も姉もこの変わりようには驚くばかり。

自分が幸せになってこそ、人はより、他人に優しくなれる。
そして幸せのカギは行動すること、なんとかなる、やってみよう!! なのだ。

生きること、働くことにつらさや困難を抱えている人には、現在、より多くのサポート団体がある。”ライフリンク” や各地の”若者サポートステーション”、など。中々精神科には気が向かない人が多いと思うので、まずは
そういったところから突破口を見出してほしい。




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