ポートレイトレクチャー「24.暗めに撮って後から明るくする、はどうしてダメなのか?」
ポートレイトを撮るアマチュアカメラマンと話していると、「暗めに撮っておいて後からRAW現像で明るさを調整する」という人がとても多いように感じます。
なぜ暗めに撮るのですか?と聞くと、答えはみなさんほぼ一緒。
「明るく撮って、白飛びしてしまうと救いようがないから。暗めに撮る分にはデータがあるのでRAW現像でなんとかなる」と。
確かに白飛びしてしまったものは露出を下げてもそこに階調はでてきません。
一方、暗く撮ったものは明るくできます。
ですので、明るすぎるよりは暗すぎるくらいのほうがよいという発想は理解できます。
でも暗く撮っておけば、本当に何とかなるのでしょうか?
以前のnoteにも書きましたが、少しくらいの調整であれば、暗い部分を明るくしても画質が悪くなることはありません。
具体的には0.5段から1段くらいまででしょう。
それ以上(1.5段とか2段とか)プラス補正すると画質は悪くなります。
プラス補正するということは簡単にいえば、増感現像するということなのです。
暗い夜景を明るく撮ろうとすることと同じです。
もともとが暗いので、それを明るくしようとするとノイズも一緒に明るくなってきてしまいます。
また暗く撮ってしまったために階調も正しくは記録されていません。
ですので、明るくはできても階調までは復元できないのです。
このため、最初から適正露出で撮ったものに比べれば肌のトーンが綺麗ではないことになるのです。
これが暗めに撮って後から明るくするのではダメな理由です。
言葉で書くとこういうことなのですが、それでもなかなか理解できないかもしれません。
では、実際に適正露出で撮った写真と、暗めに撮ってRAW現像で明るくした写真を見比べてもらえばより理解しやすいと思いますので、写真をご覧いただきます。
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