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あなたが「いる」ならそれだけで


眠れねえ!という深夜テンションで書いただけの「まちがいさがし」がおそろしいほどページビューを稼いだり(当社比)、去年投稿したときにはほとんど反応のなかった記事がある日突然に読まれ出したり、マジでどうしたと思いながらダッシュボードを眺めている。それならこの流れのまま、ハニーレモンソーダの記事がもっと読まれたらいいのにな。単行本がよく売れているようで、2020年10月号のりぼんにはついに三浦界くんが主役の番外編が登場したから「もっと売れろ」と思っている。番外編、私の三浦界くんへの解釈の答え合わせができすぎて、ひえ、という感想しか言えなかった。

先月刊行された14巻の感想は書いていないけど(15巻に収録される話まで読んでようやくひとかたまりだから!)、石森羽花ちゃんのシンデレラぶりと進化形ヒロインの話はこれまでに記事にしているので例の如く貼っておく。

ハニーレモンソーダはもっともっとたくさん読まれてほしい、なぜなら売れれば売れるほど、私への還元があるので。私の需要が満たされるので。なんならそのうちハニレモの特集記事とかノベライズとかを書かせてほしい、口にしたら仕事くれないかなと思っている(言うだけはタダだ)。


一方で、私の言葉に関しては、だいたいいつも、たった1人に「中身はどうあれ読んでしまう」と手を伸ばしてもらえればそれでいいと思う。100人になんとなく振り向かれるより、たとえ99人に無視されてもたった1人に愛してもらえればそれでいい。そう願うたびに私は、私のことを強欲だと感じる。振り向いてもらえるだけでもありがたいのはわかっている。

岸田奈美さんは100字で済むことを2000字で書けるのだという。だとしたら私は、人前では明るく笑い飛ばせるようなことでもウルトラスーパーネガティブに書ける。いくらnoteの街にふさわしくなかろうと、人びとに同化できなかろうと、自らの言葉で私の何かをすり減らしてゆこうとも、それでいいと思っている。やさしくなんかなれなくていい。正しくなんかなれなくてもいい。悲しいことは悲しいまま、嫌なことは嫌なまま、飽きるまで抱きしめていたいのだ。泣くことしか知らぬ、小さな私を許していたい。だから今夜も泣いて眠ろう、無数の夜を超えて、この感情が愛に変わるまで生きていこう。私が大事だから私は傷ついている、きっとそれだけの話だから。どんなにかささいな痛みでも。

日陰でまどろんで、明けない夜に叫んで、いつかの朝を独りで待ちわびているだけの私のそういう言葉を、話を、あるいはそれ以外の何かを、ただ想ってくれる人を、ゆえに私は尊んでしまう。あなたは、真冬にひだまりをつくる一筋の、あの、ましろい光に似ている。あなたが私の言葉を大切にしてくれるとき、その愛をとても美しく想い、目を細めてしまう。そして私はひどく欲深くなるのだ、何て強欲なんだ。こんな気持ちは、バズりたいという欲求よりよほど重くて面倒臭いだろうがと自嘲しながら。

それでも私は愛によって読まれたいし、読んでくれるその人を愛したいのだった。あなたが想ってくれるならそれだけでいいよ。難しいことなんてなにもいらない。

数字や人のつながりを否定したいわけではないし、私にとって数字がまったく大事ではないならページビューを観察したりしないよな。わかっている。それでも、これは私にとって大事なことなので、定期的に書き起こす。

私とあなたの間だけに生まれるものがあればいい、だけどなにもなくてもいい、退屈だとあくびして、言葉によって幸せになれない私たちだとしてもかまわない。好きも嫌いも悦びも憎しみもぐちゃぐちゃにして読んでいい。私は、深い愛のみずうみで、あなたがくれるものにふれていたい。

難しいことなんてなにもいらない。
あなたが「いる」ならそれだけでいい。

かつて、文庫本2冊を費やして考えつづけたことといまもあまり変わらない気がする。だからこれは、私のカルマなのかもしれない。


まあ私の愛の思索など横に置いておくとして、まだ読んだことのない人はとりあえずハニーレモンソーダを読んでほしい。それだけでいいよ!!


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