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ソルティ・ドッグ

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塩日記2020
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2020年7月の記事一覧

人は冷たく息をする

小説は無料で読めます、後書きと日記は有料 「お兄様があっさりと承認されるとは思いませんでした」  ぽつりと落ちた妹の言葉に、ザカライアは視線を遣った。枢密院における最後の会議から日を置いて、秘密裏に──それもめずらしく──生家へ帰ってきたと思えば、なんのことはない、想像どおり甥のことだったらしい。家令も全て人払いしたラトランド公爵家のサロンで、エディスはようやく、ため息をこぼすことを思い出したようだった。  中年という歳はもとより、幼少期から誇り高い妹である、さめざめと泣

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最低な私の無秩序な言葉と、青春の中のあなたの美しさと永遠と

うまく言葉にできない感情を、形にするにはどうしたらいいんだと思う。どうしてこんなに下手なんだろって、死ぬまでにあと何度、この文章を切り裂いたら私は、ぐちゃぐちゃに滲む感情を紡ぐことが巧くなるんだろう。伝えたい、伝わらない、わかってほしい、わかられたくない、あなたに近づきたい、近づいたと指先が伸びたらきっとあなたは先を行ってまたその背中は消える、あなたを理解することなんてもう許されない、一生許されない。悲しいと思っていいですか、あなたのことを何も知らない私でも、今日を悲しいと、

浜崎あゆみと私の孤独

「あゆが好きだ」と公言することは、「私は孤独だ」と告白することによく似ていて、私は、親しい友人にもほとんど話したことがない。 ▽▲▽ 2020年7月1日に放送された日本テレビ「今夜くらべてみました」で、社会学者の古市憲寿氏が「浜崎あゆみ」について熱弁しているのを見た。あゆが孤独に築き上げた一時代、その真っ只中で、彼女の音楽に救われて生きていた少女の一人だった私にとっては、氏の解釈には共感しかなかった。 「ayuの曲って、すごく暗くて孤独で、それがやっぱり、当時ウケたなっ

「その人だからつくれる世界」が好き

minneに住める。むしろ住みたい…… という謎の呟きを残して、昨晩の私は寝落ちした。 ▽▲▽ 約1ヶ月半、3人分の仕事を抱えていたのだが(2人分の仕事であれば4月下旬からずっとである、まあ2人分くらいならたいしたことはない(麻痺))、自分でもそろそろ限界だと感じて「はいむり!休む!私は休む!平日に何もしない日をつくる!!!」と決め、2020年7月16日木曜日を「私の、私による、私のための休みの日」に制定した。というので、本日はお休みです。何もしない日だけど、記録として

連続更新50週目、あなたに差し出す花束は、きっと晴れ間のカンパニュラ。

「毎日更新はムリでも、毎週ならできるかもしれない」 と考えて、週に1回、最低1記事を投稿し始めて、今週がちょうど50週目だった。コスメ、アクセサリー、私の好きなものをただ並べた「私の味方」の記事で「50週」のポップアップがあらわれたときは、自然とため息が出た。何でも「これは運命!」と言っちゃうタイプの人間なので、日々の私の味方が本当に味方になってくれている、これは運命としか表現しようがない。 ため息の内訳は、ここまで来られたという安堵と、私なんかでも「書くこと」を続けるこ

どんなときでも、私の味方

仕事が激ハードモード!ひとりで三人前働いている!!! ので、私の味方を貼る。武装道具とも言う。「ドレスはみんなを輝かせる!」って、アイカツスターズ!の虹野ゆめちゃんが言ってた。ただし、ドレスを味方だと呼んだのは、アイカツ!の大空あかりである。 私のガチメイク道具。マスク生活なので、いまはファンデーションやリップ類はほぼ使っていないけど、大事な仲間なので載せる。このごろはアイメイク濃くなりがち。YouTubeを見まくって下まぶたを武装する方法を覚えた。 写真とはちょっとち

「私のもの」として磨きあげてゆく

人の作品を自分なりに解釈し、自分の言葉で伝えなおす作業は、その作品をより深く理解することであると同時に、他者のまなざしの中で「私の言葉」「私の感情」に出会いなおし、「私のもの」として磨きあげることだと思う。「私のもの」とは、作者に成り代わるという意味ではなく、作品を私の血とし肉とし魂としてゆくということだ。 これは、入谷聡さんが開催されていた非公式投稿企画「磨け感情解像度」に参加するために、「だから私は「馬と鹿」を聴く」を書き下ろしたときにも考えていたことである。 自分の