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#私のイチオシ

眠れない夜に開く本

【とほん読書ノート014】 『幸福論』で有名なヒルティ(1833-1909)が、眠れない夜の時間を自らの人生を見つめ直すために活用しようではないかと書いた本です。 哲学者であり国際法の大家でもあったヒルティですが、何よりもまず敬虔なキリスト教徒でした。聖書を頻繁に引用し、信仰心に基づいた幸福を追求するための内容ではありますが、自身の経験に裏打ちされた実践的な助言も満ち溢れています。 信仰心があるからこそ本当の幸福を得ることができるというヒルティの言葉は無神論者の私にとっ

【5月8日更新】2020年度春学期「アメリカン・ミュージカル表現史」リーディング・リスト

2020年度、早稲田大学では5月11日に授業開始となります。 それまでの間、自宅学習が捗るようにリーディング・リストを公開します。 この記事は、「アメリカン・ミュージカル表現史」を対象としたリーディング・リストです。 日本語文献を主とし、最後に英語でのミュージカル史および研究の入門書を書きます。 なお、「アメリカン・ミュージカル表現史」という授業の特性上、他言語・他地域のミュージカルや音楽劇についての文献は割愛させてください。 【5月8日更新】 オンラインで読めることができる

現代アートとその周辺文化を考える

 現代アートが成立するバックグラウンドとその周辺は、不可解だが、分かりやすい世界かも知れない。 それは、現代アートの価値を論じる為には、*現代の「メディチ家」(Casa de' Medici:ルネッサンス期にイタリア・ファレンツェに於いて、その財力で芸術家を支援した)という存在のバックグラウンドで成立するという事だ。 そのバックグランドは、狭義の*アートワールド(現代アートの価値と価格)は、なんで決まるのだろうか? 影響力のある現代アートの祭典は、ヴェネツィア・ビエンナーレ