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空の花篭、

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ネガティブ日記2019
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#愛

あの日孤独だったから始めたそれだけのことを、だけど今日はたしかに、いとしいと言える

 私以外 知らないこの傷を  強く 深く 愛せるはずないんだ  どうせ みんなもそうでしょ? 何か言って    - Sissy Sky/宮川愛李  昔々に、私が小説を書き始めた理由なんてたいしたことはない。さみしかっただけだ。学校にも、家の中にも、居場所を見つけられなかった。一日の大半をいじめられて過ごし、仕事で疲れ果てて帰ってくる親とは不仲で、月刊の漫画雑誌の付録のノートに、言葉を吐き出すことを覚えた。華やかでかわいい女の子が描かれたかわいいその用紙に、澱んだ感情を綴って

愛と憎しみと私の名前

 名前って難しいよなと思う。  ここ何年か「名付けの意味がよくわかるいい名前だよねえ」と言ってもらえる機会が多く、嬉しい反面、気分によってはやっぱり「親の愛が重い」と思う日もある。私は長子で、父と母がお互いにそれぞれ好きな漢字を一つずつ出し合って、何日も前から意味を考えて付けた、ということを、私は、保育園の卒園文集のときから知っているので、まさしく「愛を背負って生きてきた」感じなのだ。(弟ズは産まれてから考えていた。真ん中は、私がのび太がいいと言ったので、危うく「のび太」にな

私の中の怪物

 幸せな顔した人が憎いのはどう割り切ったらいいんだ  満たされない頭の奥の化け物みたいな劣等感               ー ヨルシカ/だから僕は音楽を辞めた  私はこの曲をカラオケに行ってよく歌うのだけど、「満たされない頭の奥の化け物みたいな劣等感」というところだけ変に力が入ってしまっていつも声が裏返る。力が入るのがわかっているからちょっとフラットに歌おうとすると、ここは二度目のサビの直前で、その後Cメロに入る、歌に勢いが出てくる重要なところなので、力を抜くと肩透かしし