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Hana Tutumiのしごととくらし No.5

明けましておめでとうございます。Hana Tutumiの前田です。

今年は、静かな年明けとなりました。
今日から、Hana Tutumiの2021年もスタートです。
不安な日々が続いておりますが、草花が少しでも皆様に癒しを与えられると信じて、活動を続けていきたいと思います。
本年も、Hana Tutumiをどうぞよろしくお願いいたします。

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さて、2021年最初のテーマは、「つくること」です。

「つくる」という言葉には、3種類あります。
「作る」、「造る」、「創る」。

「料理をつくる」など、一般的に何かを「つくる」ときに使用する、「作る」。
「庭をつくる」など、比較的大きなものを「つくる」ときに使用する、「造る」。
そして、何か新しいものを「つくりだす」ときに使用する、「創る」。

Hana Tutumiのレッスンでは、誰もが同じ作品を「作る」のではなく、それぞれが個性を伸ばした作品を「創る」ことができるようになることを目指しています。

草花は、一つとして同じものはありません。人も一人として同じ人はいません。全く同じ作品を作ることは、できるはずがありません。

「皆と同じように作れない」、「うまく作れない」と不安になる方もいるかもしれませんが、テキスト通りに制作していただくのが目標ではなく、「つくること」を愉しんでいただくことを大切にしています。

けれども、オリジナリティのある作品を制作するのはとても難しく、「どのように個性を出せばいいのだろう」と何かを作ろうとしている人は誰でも一度は思ったことがあるはずです。

「作りたいように作る」というのはとても難しく、そもそも「どのようなものを作りたいのか」が分かる人は少ないのではないかと思います。

最初から作りたいもののイメージが湧いてくる人は少なく、どうしてそんなに次から次へとイメージが湧いてくるのか、不思議に思う人が大半を占めていると思います。

学校の美術の授業で、大半の生徒が周りの様子を伺いながら何かを作り始める光景を覚えている人もいるはずです。

では、どのようなことから「つくること」を始めればいいのでしょうか。
まずは、「小さなテクニック」を一つ一つ身に付けていくことから始めるのが大切だと思います。

草花に関して言えば、草花を捌く、束ねるなど、「小さなテクニック」を一つ一つ丁寧に身に付けていきます。

作品の制作は、こうした「小さなテクニック」の集合体です。

「小さなテクニック」の組み合わせは無限です。組み合わせを変えることで、オリジナリティのある作品に少しずつ近づいていきます。

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初めからオリジナリティのある作品を作ることができる人は、どのデザイン分野でもごく少数だと思います。

私も、オリジナリティのある作品を作ったり、新しいアイデアを生み出したりするのは苦手なほうです。
大学と大学院で建築を専攻し、設計事務所に勤めていましたが、建築は、この「小さなテクニック」が特に重要な分野の一つだと思います。

他に無いような新しい空間をつくりだすことも大切ですが、特に住宅については、毎日使用する人のことをよく考えることが大切だと考えています。

玄関の広さやキッチンの広さなど、その部屋ごとに最適な寸法はある程度決められています。中でも、キッチンやお風呂、トイレといった場所に関しては、今までたくさんの人が研究を重ねた結果である推奨寸法を採用するのが一番だと思います。

また、間取りについても、洗面室の隣にはお風呂やトイレがあって、キッチンの隣にはダイニングがあって・・・など、当たり前とされている組み合わせを採用するのが、結果的に一番住みやすい家になると思っています。

奇抜な空間を持った住宅も素敵ですが、10年、20年たった時の経年変化も愉しみながら住み続けられるような住宅が良いと思っています。

さらに、建築は、その土地ごとに様々な条件が付けられていて、そのすべてをクリアしなければ建物を建てることができません。

こうして考えてみると、建築は、デザインという分野の中ではかなり制限されたものです。
けれども、間取りや窓の付け方など、「小さなテクニック」を組み替えることでオリジナリティのあるものを無限に生み出すことができます。

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「小さなテクニック」をたくさん身に付ければ、それだけ組み合わせも多くなります。

Hana Tutumiのレッスンでは、この「小さなテクニック」をお伝えします。

初めからオリジナリティのある作品を作ろうとはせず、まずは身に付けたテクニックを使って「作る」ことから始めましょう。

作品を「作る」ことを愉しめると、どんどんテクニックは身に付いてきます。
その積み重ねの延長が、作品を「創る」ことに繋がると思っています。


今日のお話はここまでです。
また次回、Hana Tutumiの活動やオーナーの栗城の話をお伝えいたします。

筆者プロフィール
前田彩
Hana Tutumiオーナー・栗城の長女。
2013年3月、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。
2015年3月、武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻建築コース修了。
大学院修了後、ドイツに半年間滞在。
帰国後、都内設計事務所に勤務。
設計事務所を退職、オーストリア・ウィーンに1年間滞在。
2020年、Hana Tutumiの一員として活動開始。

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