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Hana Tutumiのしごととくらし No.6

こんにちは。Hana Tutumiの前田です。

記録的寒波の到来、緊急事態宣言の発令、年明け早々様々なことが起こっています。
暗いニュースが続く中、下を向きたくなるようなこともありますが、下を向いたときに目に入る足元の草花に力をもらいながら、また前を向いて進んでいきたいと思います。

今回のテーマは、「Hana Tutumiの草花の合わせ」です。

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「どのように草花を合わせるのですか」
「どのように作品のデザインをするのですか」
というご質問を、レッスンをご受講いただいている皆様から多くいただきます。

Hana Tutumiの作品やレッスンで使用する草花は、すべてオーナーの栗城がセレクト・デザインしています。
季節に寄り添うことを大切にし、その季節ごとに風景を切り取ったような草花の合わせを意識しています。
彩度の高い華やかな草花ばかりを使用するのではなく、全ての色が調和した自然の風景のような作品に仕上がるように草花をセレクトしています。

自然の中にある草花は、それぞれの色が調和しながら季節ごとに少しづつ表情を変えていきます。
春の桜、梅雨のアジサイ、夏の木々、秋の紅葉、そして冬の真っ白な雪と黒い枝。季節ごとに主役を変えながら、草花は私たちに季節を見せてくれます。
どの季節にも主役となる「色」があるけれど、不思議なことにすべての色が調和して一つの「風景」となっています。

もし、様々な草花が生い茂る中に一つでも突出して彩度の高い花があれば、私たちは違和感を感じ、自然に生えてきたものではなく、誰かがそこに植えたものだと考えるはずです。
もちろん、眩しいくらいに色とりどりの花が咲き誇っている庭園などを見れば、「綺麗だなあ」と感じますが、Hana Tutumiがお届けしたいのは、オーナーの栗城が生まれ育った会津で見たような豊かな自然の「風景」です。

決して煌びやかな作品ではないかもしれませんが、自然の中から季節を切り取ったような「風景」を作品で表現しようとしています。

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このように、自然の「風景」を作品にすることにこだわるのでしょうか。それは、栗城が最も美しいものだと思うからです。

草花をセレクトし、デザインするとき、栗城は自分の中にあるフィルターを通って蓄積された「美しいもの」を見つめます。
フィルターを通してろ過された純度の高い栗城にとっての「美しいもの」は、草花に限ったものではありません。
生まれ育った会津の風景だけでなく、映画のワンシーンであったり、本に書いてあるワンフレーズだったり、どこかで聞いた音楽だったり。自分のフィルターを通して蓄積された美しいものであれば、必ず自然の中にある色のように調和するはずだと信じているからです。一見、関係が無いように見えるものでも、必ずどこかでつながっています。

「すべてどこかで繋がっている」というのは栗城の口癖です。
私も妹も、小さいころからこの言葉を毎日のように聞かされてきました。
簡単な例でいえば、学校での勉強です。
国語と数学は、まったく関係が無いかのように見えます。けれども、数学の問題文を早く正確に理解し、解答に進むためには、国語で養われる読解力が必要です。
英語も、一生懸命単語を覚えたとしても、読解力がなければ長文問題を解くことはできません。
さらに、外でたくさん遊び、木登りしたり花を摘んだりして自然に触れあっていると、自然と理科の力が身に付きます。
このように、別物としてカテゴリー化されるものでも、どこかで必ずつながっているものです。

「デザインをするとき、自分のフィルターを通して見たものを信じられるか」が、新しいものを生み出す時には大切だと栗城は言います。
人は誰でも、「好きなもの」や「嫌いなもの」、「美しいもの」や「美しくないもの」を分けるフィルターをそれぞれ持っています。
様々なことやものに触れ、自分の中に蓄積された美しいものを見つめ、デザインをしてみてはいかがでしょうか。

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今日のお話はここまでです。
また次回、Hana Tutumiの活動やオーナーの栗城の話をお伝えいたします。


筆者プロフィール
前田彩
Hana Tutumiオーナー・栗城の長女。
2013年3月、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。
2015年3月、武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻建築コース修了。
大学院修了後、ドイツに半年間滞在。
帰国後、都内設計事務所に勤務。
設計事務所を退職、オーストリア・ウィーンに1年間滞在。
2020年、Hana Tutumiの一員として活動開始。

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