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ココちゃんとトトとカカ #18夕食は何にする?

《これはトトさんと、私カカさん。そしてココちゃん2歳の暮らしのお話》

「ココちゃーん、ママがお迎えに来てくれたよーー」
先生が私を手招きして、絵本コーナーを指差し(ココちゃんの様子を見てと)目配せしてくれたから、覗き込んでみる。
先生のように絵本を持ち、並べたぬいぐるみ達に絵本の読み聞かせをしている。
お友達が1人、ぬいぐるみの後ろに正座で、ココちゃんのお話を聞いていた。
一つ上のクラスのお姉ちゃんがしているのを真似てやってるそうで、「抑揚をつけてお話してくれるから
惹きつけられますよ」と先生。最近、お喋りがぐんと増えたし、話ししていても楽しいもん。

絵本の先生持ちはなかなか高度な技術が必要で、ココちゃんに「先生みたいにして」と言われた事があったけど、
どうやって絵本を持ち、ページをめくっているのか、右?左?向きもしっくりこなかったことを思い出した。

ココちゃんはマイペースだ。
「カカさーん。今日はカカさんなん?」と、喜んで走ってきたわりに、
「せんせー、今日はカカさんなんやってー」また部屋に戻っていってしまった。
あー行っちゃった。

先生から受け取った荷物の中を見ると、折り紙が3つ入っていた。
三角に折ってあって、一つは黄色と赤の色鉛筆でぐちゃぐちゃっと色が塗ってある。
『トマトと卵のスープみたい』と思った。

しばらくしてやっとココちゃんが戻ってきた。
「おかえり、先生にさよならして。帰ろー」
「せんせーバイバーイ」「はーい、ココちゃんまた明日ねー」
いつもにこやかな先生達に癒されてしまうのは私だけだろうか。

「ねぇねぇ、ココちゃん、これなぁに?」折り紙を出して見せる。
「これはー、トトさんのご飯で、こっちはカカさんのご飯やから、おうちで食べ。自転車は落としたらあかんからカバンから出してはーーー、ぶぶーーー」
ほんと、よく喋るなぁ。笑
「そっか、ご飯作ってくれたんだね、ありがとね、ココちゃん。
 これ、トマトと卵のスープかと思ったよ」と、飲む真似をしてみせた。
「あ!!!こぼしたら、お口拭くのんないから、お家で食べってー」
怒られてしまった。笑

トマトと卵のスープは温かいのも美味しいけど、冷たくしたものは食欲が落ちた胃袋に
スーッと染みていくから、我が家では夏の定番。
トマトを握りつぶしたり卵をかき混ぜたりと、ココちゃんのお手伝いも多く、自分で作れる料理だと思っているみたいよ。

自転車を止めていると、後ろから「お?」と声がして、振り返るとトトさんだった。
手には食材が入った大きなビニール袋を持っていた。
「保育園でトトさんのご飯を作ってくれたみたいよ」というと、ココちゃんが
カバンの中から折り紙を出してトトさんに渡した。
「ありがとー、ココちゃん!!!お腹すいててん!!むしゃむしゃ」
そんなトトさんをチラッと見て、さっさと家に向かって走り出していくココちゃん。
「え、ココちゃん、置いてかんといて〜笑」追いかけるトトさんに喜んで走り出し、
案の定、転んじゃった。「かわいそーに。痛かったなぁ。ごめんごめん」
そういって、トトさんが抱っこすると、ペトッと肩にもたれ、その様子に「かわいそーになぁ、しょんぼりしてるやん」と、
トトさんの優しさをグイグイ引き出す小悪魔ココ。

「これさ、ココちゃんが作ってくれた折り紙。トマトと卵のスープみたいじゃない?」
「ほんまやな、じゃーこれは、ほうれん草のスープやな、こっちは、肉団子のスープってとこかな」
「確かに!いろんなスープだね」
「生姜も買ってきたし、肉団子の中華スープ作ろっか」
「あ、それ、嬉しいかも。ちょっと、仕事で疲れちゃってたし、元気が出そうだわ」

そんなこんなで、今夜は、生姜とニンニクの効いた鶏肉団子の中華スープ。
仕事でちょっとミスったガラスのハートも、ココちゃんの膝小僧のイタイイタイも、トトさんのなんだかわかんないモヤモヤハートも、ぜーんぶ温めてグイグイっと飲み干しちゃおう。

明日は元気になるはず。だよね。


ぐんと寒くなりましたね。風邪対策にニンニクと生姜は必須。
体の中から温まってぬくぬく過ごしましょうね。
トトさんに美味しいスープの作り方を教えてもらお!

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