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新人のメモ帳がもれなくカオスになる理由。

先日、知人から声をかけていただき、週1のPC事務を手伝いに来てくれないかということで、軽い気持ちでOKしてみました。
初出勤日までに、週3でトレーニング(?)に来て欲しいって言われた時はめんどくさくて吐くかと思った…んですが、気合いを入れて行って来た謎の「トレーニング」1日目で、新人に業務を教える時の話し方=「何にもわからない人に何かを伝える時の話し方」を発見したので、書いてみたいと思います。割と長文なので、興味を持ってくれた方はお時間あるときにでも読んでください。

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「教える係はなかなか成長できない」

研修で、入ってきたばかりの人に仕事を教える役って、「新人教育係」みたいな、それ専門の役職を持つ人がいるような大きな会社はいいですが、小〜零細企業ではだいたい「面倒見のいいお局的な立場の人」か「あんまり仕事できなくて雑用ばかりさせられる立場の人」が担当しますよね。なので、教え方のノウハウが確立されてない場合がほとんどだと思います。

その人の教え方が分かりやすいのか分かりにくいのか、評価するのは「教えられる側」ですが、教えられる側はもちろん新人なので、先輩に「いや、あなたの説明ちょっと分かりづらいです」なんて言いません。なので、そういうフィードバックがないから、教える側も教え方を学ぶ機会がないままなんだろうなぁ…なんて思いながら、今回トレーニングを受けていた私です(どんだけ上からなんだ)。

かくいう私も、前々職まで10年選手のお局さんだったので、ずーっと教育係をやっていて、なんか…今まで教えて来た新人さんたちごめんねって思いました。

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新人に業務を教える時の話し方、3つのコツ。

で、実際にどんな感じでトレーニングされて、どんなところが分かりづらいと思ったのか?を今から1つずつ説明しながら書きたいと思います。(ちなみに、今回説明を受けたのは「ネットショッピングの注文処理」です。)

私が発見したコツは3つです。

1. 目次を最初に教える。
2. どれくらいのボリュームの話なのか先に言う。
3. 細かいコツとか雑談とかを間に挟まない。


以上です。これだけ気をつけるだけで、劇的に分かりやすくなるはず!!世の中の「教える係」の人、どうかお願いします!
では、1つずつ解説します!

1. 目次を最初に教える。

私に教えてくれたのはテキパキ系の美人なギャルさん。
彼女のPCデスクの横で、メモとペンを持って座っていた私。

ギャル「じゃあ…えっと、まず、必要なファイルはこれとこれと」

と言いながら、ギャルは付箋だらけのデュアルディスプレイに、エクセルファイル2つとショッピングサイトの管理画面を開き、説明を始めてくれます。

ギャル「まず、csvファイルを作ります。ここの列をコピペして、こっちのシートの3行目と4行目の間に貼り付け。次は8列目を削除します。で、このセルをコピーして、注文管理で検索するとお客様の名前が出るので、それをまたエクセルの方で・・・」

私(???ちょちょちょちょ・・・おーーーーい!!!!)

待ってー!待ってー!それなんの説明なのーーー!?と、しょっぱなから超焦ってしまった私。
「csvファイルを作ります」の説明なのは分かるのですが、まずこの業務の目次を教えていただきたい!どのくらいの位置にある作業なのかを知りたい!
大中小とある項目のうち、一番下の「小項目」から入らずに、ざっとでいいので、流れを最初に教えてくれるとすごく掴みやすいです。

料理に例えるなら、急に「まず玉ねぎはくし型切り、にんじんは乱切りにします!」って言いはじめるような分かりづらさです。
そうでなくて、
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●料理名「肉じゃが」
●大体の流れ「1.野菜切る→2.炒め合わせる→3.水と調味料入れて煮る」
●今からする説明「1の、野菜の切り方」
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って言ってもらえるだけで、流れが分かります!!

ということなので、人に何かを伝える時の話し方のコツその1は、目次を最初に伝えてあげること!
…とは言えず、必死に手順をメモする私。これ聞き逃したら大変なやつやん?!どこの列コピーするとか間違ったら大変!

2. どれくらいのボリュームなのか先に言う。

どれだけ真剣に聞こうとしても、人間の集中力ってそんなに持たないと思うのですが、私だけですか?笑

めちゃめちゃ真剣に、聞き逃すまいとメモ取ってたんですが、なんせそのセルの入れ替え系の説明がずーーっと続いて、メモ帳も2ページ目3ページ目ってなってくると、書きながら「はて、これはいつ終わるのかいな?」と、思う瞬間が何度か来ます。聞いてるだけなのでちょっと暇してしまうんですかね。

なので、教える側の人は先に「この工程は3つあるので順番に説明します」と言ってくれたら、聞く側もカウントしながら集中して聞けます。「今ので2項目終わったから、あと1つ!よっしゃ!」みたいな。

なんせこっちは今どこにいるかが分からない状態なので、集中力切れて来た頃に「もしかしたらあと10種類以上あるのかも…」とか想像してしまったら気を失いそうです。

3. 細かいコツとか雑談とかを間に挟まない。

教える方も多少テンパってるので(私がそうでした。説明すごい苦手だし…)、説明しながら「あっ!あれも伝えなきゃ!」とか色々出て来てしまうと思うんです。

ただ、初めて聞く側はいっぱいいっぱいです。1日ずっと、いっぱいいっぱいです。たぶんゴリラくらいの知能しか発揮できません。なので、とりあえず、必要最低限のことを教えていただきたく思いました。
「これは本来はこういう作業だけど、ここは短縮するためにこうした方がいい」とか言われても、残念ながら何を言っているのかさっぱり分かりません。お願い、あと3日待って。

「さっきの説明で言い忘れてたけど、こういう時は・・・」もダメです!
お願いなので巻き戻らないでください!「さっきの」もよく分かってなかったのに、時系列まで狂うとパニックです。

肉じゃがの例えでいくと
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「水を入れるってなってますが、ここで昆布ダシを入れたほうが味が染みますよ」→NG
「切り方が分かったところで、包丁の研ぎ方って分かります?本来包丁っていうのははね…」→NG
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みたいな。
そういう話は全部後でお願いしたいなと思いました。
とりあえず最初は基本ど真ん中のみを!!!


以上が、1日目の研修を終えて来た私の勝手な感想でした。

てゆうか、ずっと不思議だったんですが、なんで全部メモしなきゃいけないんだろう…泣。帰りにはちょっと腱鞘炎なったかと思うくらい、親指と人差し指の間がジンジンしてました。せめてPC持って行ったらよかった。
咄嗟に漢字が出てこなくて、漢字がどんなんだっけなーと苦戦している間にどんどん説明が流れていってしまうんですよね。
そもそもなんでマニュアル作ってくれてないんだ。説明する側も「どうやってまとめたらいいか分からないし、とりあえず口で説明しよっと!」みたいな感じになった説が濃厚な気が…。てゆうか私がそのタイプ。笑

肉じゃがの例えを出してて思い出したのですが、私が料理教室(某大手のところの)に通っていたときの先生の説明が素晴らしく分かりやすかったです。
どんな感じだったかというと、
最初に、レシピの書いてあるテキストを配って、先生が読み上げてくれます。ここで読む時間をもらえるので、大枠を把握出来ます。
次に、先生が壇上でレシピをザーッと実践してくれます。3分クッキングみたいな感じで、映像として全体を捉えられます。
そして自分たちでいざ実践、という流れです。
振り返るとすごく分かりやすい説明でした。やっぱり教える商売な訳だし、いかに分かりやすい説明にするかって、考え尽くされてるんですねぇ。

さて。
今の私はというと、ただただ自分が必死で取ったメモがカオスすぎて、途方に暮れています。
研修あと2回、頑張れ私。

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