見出し画像

百瀬、こっちを向いて。

隠された秘密の奥に隠されたもう一つの秘密。
あなたはどこで気づいた?
これから気づく?
もしかしたら気がつかないまま。。。。

中田永一さんの小説に出てくる人たちが好きだ。
たいがい地味で冴えなくて感情を表に出さない。
淡々としていて、動じないように見える。
周りの人たちには静けさを纏っているように見えるのだろう。
でも独特の感受性と動じなさを持っていて。
私はそれに憧れる。
周りに流されすぎる事なく、自分がなりたいとところに落ち着いている。
と言うか諦めているのかも?私は僕はこの程度、と。
いきったりしない。
それがある種の達観に見えてかっこ良いように思えるのかも。

人それぞれの世界があり、その世界が淡々と美しくて、心地よく感じる。
それを垣間見れるのが
胃が重くなるような嫌な人もいないし、冷や汗が出るような嫌な出来事も起こらないのもいい。
ちょっとした出来事と、ちょっとした変化と、ちょっとした心の揺れと。

なんとなく幸せ感が残る最後も好き。
結末というほどでない終わり、今日はここまで、みたいな最後。
人生は続いていくしね、みたいな。
またいつか続きが読めるような。

心がホッとする時間が欲しい人におすすめの本です。
これが好きなら『吉祥寺の朝日奈くん』もおすすめです。

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,781件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?