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たぶん、社会はこれを"別れ話"と呼ぶ

普通なら、
みんなは、
一般的には、
常識的には、
どうなのか分からないことがよくある。
何を持って、自分が 世の中のマジョリティと同じ意見とか気持ちを持っている と断言できるのか分からない。

周りから見聞きしたことから、最大限の想像力を働かせて、分かるような気がすることもあるけど、自分の言葉じゃない答えは薄くて脆い気がする。

大好きな人がいた。

女の子だった。つまり同性。

世間一般的に見れば、私たちは 親友 だった。

私は、彼女に恋愛感情を抱いたことも、恋愛関係になることを望んだことも、おそらくなかったし、彼女も私に対してそういう気持ちはなかったと思う。

でも、私は彼女のことが、大好きだった。

嫌なことがあった時、嬉しいことがあった時、いい気づきがあった時、夕焼けが月が綺麗だった時、一番最初に共有したいと思った相手は彼女だったし、お互い学生だったころは本当にたくさんの時間を共有した。何でも話せたし、なんでも話せると言ってくれた。私の思い入れのあるコミュニティに招待したし、好きな人たちを紹介したし、一緒に旅もした。

私にとって、本当に特別な存在で、大事な、1パートナーだった。

たまたまかもしれないけど、私の周りには恋愛が得意な、恋愛に恋愛をするような人がけっこういる。笑

みんなが言うには、「もう、"好き"という気持ちだけで、一緒にいられるような歳じゃない。」らしい。

理論的には分かる。笑
学生ではなくなって、自分でお金を稼ぎ始めて、結婚とか?子どもとか?自分の人生設計を現実的に考え始めて動き出さなきゃいけない歳なんだぞ!いということだと思う。

どんなに好きでも、好きと言う気持ちだけでは、確かに食べていけないし、いろいろ考えて未来が無ければ「一緒にいる」という選択をしないという選択もありなんでしょ。

ただ、私は、今までこういう選択をしよう、したいと思う気持ちを、男の人に対して感じたことがなかった。

一応だけど、私は今まで、男の人、つまり異性としか恋愛関係だったことはない。

でも、正直なところ「そんなに男の人のこと好きじゃないな」とか「男の人だから好きになりそうなわけじゃないな」とか「これは"好き"というより"思い込み"じゃないか?」とか思ってたことが、うーん、たぶん中学生ぐらいからあった。それでも「私は人並みに異性を好きになる」を1ミリも疑ってこなかった。そういう社会で生きてたんだ。


大好きだった彼女に対して抱いた感情は、私が男の人に対して感じたことのないそれだった。

どんなに好きでも、人間だから、どうしても 分からないこと があると思う。でもその 分からない領域 が、相手にとって特別な大事なゾーンを侵してしまったり傷つけてしまったら、そこにはもう美しいほどに絶望しかないと思う。とちらに非があるとか、どう頑張ればとかじゃなくて、どうしようもない。

最近、恋人とかパートナーのことが「好きだ 」と「一緒にいたい」と思う理由に恋愛感情がなくてもいいんだよなってことに気づく機会があった。

私の言う 大好き には、恋愛感情がない。

私は、恋愛感情を持たないからアセクシュアルだと断言したいわけでも、簡単に自分にそうラベルを貼れるわけでもない。(セクシュアリティについてはこちら!)

私がどんな人を好きになるか ということを疑ったり考えたことは今までなかったのだけど、自分の中の性別については100パーセント女性ではない、とか、男か女かという2つで定義することに対して変な感じがあったから、Xジェンダー、ジェンダークィア寄りなのかな?という感じ。

自分で自分のことを、マイノリティですとラベリングすることに、すごく抵抗があったのだけど、AB型とほぼ同じ割合でセクシュアルマイノリティに属する人間がいるって聞くと安心しません?

私自身が、ただそういう"タイプ"なのか、何かの名前で括られる存在なのか、分からないけど、"普通"ではない私を認められた気がしてちょっと生きやすくなった。

今の一番確かな私の感覚は、私にとって好きだとか一緒に居たいと思う相手に性別は関係ないってこと。恋愛感情がなくても好きだとか一緒に居たいと思うってこと。(国籍も人種も関係ないと思ってるけど、ここでは話が複雑になるから割愛)
女友達とか男友達とかの境が分からない。そういう名前で括る必要性が私にはない。女友達への好きと男友達への好きの違いがない。
そしてめちゃくちゃ自分の中の社会的な性別の認識がよく揺らぐ。すごく簡単にいうと、自分の中の性別も、好きになる人の性別もグラデーションがあるよってこと。

私は男の人も女の人も好きになるのか、そもそも好きになるのか、ならないのか、それ以外の可能性があるのか、ラベリングするにはまだちょっと分からない。

でも、大好きだけど一緒にはいられない という感情を初めて抱いた相手は女の子でした。出会ってくれてどうもありがとう。

#恋愛 #セクシュアリティ #好きという感情 #別れ話

肯定されたくてたまらない と思いながらギリギリ生きています。