初めてのデート
ギャンブルの意見が一致しない事で不安が生じていたけれど、
2人で会って話がしたいと言う興味があり、予定を合わせて合うことになった。
当時19歳の私、25歳の彼。
初めての年上に、どうやって接したらよいのか…と悩んでいたが、
会うまでに1か月ほどメッセージや電話でのやり取りがあったので、
同じ距離感で会うことが一番楽なのかな…と自分なりに理解した。
横浜駅で待ち合わせ。彼は車だったので、乗せてもらって駐車までの距離をドライブした。
車はどのくらい乗っているのかとか、横浜にはどのくらいの頻度で来るのかとか、たわいのない話をしてお互いの雰囲気を確かめていた。
駐車してから、観覧車に乗ろう!と言い出され、観覧車に乗る。
初回のデートから?と思ったけれど、二人きりの空間が欲しいのかな?とも思ったので特に何も考えず乗った。
よく考えたら、まだ2回しかあったこともないし、二人きりで会ったのは今回が始めただったのに。誘う方も誘われて乗る方も無防備すぎる。
高い景色や場所が純粋に好きな私は、とても楽しかった。
眼下に見下ろす景色は、当時は建設途中のみなとみらい区域だったけれど、
海や高層ホテル、おしゃれな街並みが昼間なのにキラキラして見えた。
そんな私の目の前に彼が座って、「付き合ってほしい」と告白。
正直、心の中に彼に対しての違和感が拭い去れなかった事が引っかかっていたが、これから知っていって解決すればよいかなと思い、
「お願いします」とお返事した。
その瞬間、ありがとうの言葉とキス。
まだ手もつないでいない状態で。それはないでしょう。
マルボロの香りを纏った彼の笑顔が、違和感を増やした。
私は、遊ぶ異性は数人いたけれど、交際をしたのは初めての経験だった。
だから初めてのキスは彼が突然連れ去っていった。
ある意味、衝突事故のようなもの。感触も何も記憶がない。
当日はとても楽しかった。
みなとみらいは当時出掛けたことがなかったし、観覧車は人生初の経験だった。美味しいランチをご馳走になり、はやりのお店で雑貨を見たりもした。
沢山歩いて散歩もして、次はどこに遊びに行こうかと話もした。
ただ、やっぱり違和感があった。
家に帰ってから、その日の一つ一つの行動を思い出しながら、
彼からの「ありがとうメール」に返信をしていた。
「この人は、私を下に見ている。支配したいのかもしれない。」
「または、異性との経験値が少ないのかもしれない。」
私は交際は未経験。処女でもあった。
表面上でしか男性の事を理解できていないのかもしれない。
私が経験不足で、違和感を一つも払拭することができなかった。
不安はあったものの、好きだと言ってくれる人を大切にしなければ。
そう、「しなければならない」と思ってしまった。
不安にさせる相手なのに、好意を持っている相手だと、大切にしなければならないと思ってしまったんだ。
次の日から、彼の態度が急に変化していくようになった。