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つらい恋ばっかりだけど、振り返るとけっこうカラフルだったかもしれないと思った

過去のつらかった恋愛に、妄想を混ぜて小説風に仕立てると、自分を癒せることに気づいてnoteを始めた。
これまで私は、傷つくことばかりでトラウマになりそうな恋愛ばっかりしてきたと思っていた。思い出すだけでつらくなるから、思い出さないようにしていた。
でも、noteを書き始めて改めて過去の恋愛を思い起こしてみると、意外にカラフルで悪くなかったかもしれないと思えるようになってきた。

自己紹介にも書いたが、20代前半で60歳の人に片想いしてから好きになる人が2、30歳以上年上の人ばっかりだ。
今まで付き合った人で一番離れていた人は36歳上だった。
が、もっと年上でも全然大丈夫だと思う。

一方、同世代の若い人は本当に苦手で、友達としては心から好きになれるし楽しく仲良くできるけど、セックスはできる気がしない。若々しい身体を見ると拒絶感を覚えてしまう。生理的に無理な感じがする。
(って、本当に僭越だし、私に言われたくないとは思うけど。スミマセン。)

そういう話を聞くと、大抵の人は
「そんなに年が離れてたらよっぽど可愛がってくれるでしょう」
「相手はさぞかし喜んでるだろうね、若い子と付き合えて」
などと言ってくれる。
でも実際は全然可愛がってもらえないし、喜んでくれているとも思えないことばっかりだ。

私の好みのタイプは、

1 眼鏡を掛けている(おしゃれ眼鏡はダメ。銀縁がベスト)
2 一見冷たそう
3 本当は優しい
4 文系
5 甘えさせてくれる
6 セックス時は苛めてくれる

必須なわけじゃないけど、もし6つ揃っていたら本当にいいなと思う。
身長もこだわらないし、お腹だって出ていて全然構わない。
お金もあっても無くてもどっちでもいい。

ちなみに、上の見出し画像の男性が、もう少し髪が白くて眼鏡を掛けていたら相当好みのタイプだ。
この人にこんな風に頭を抱き寄せられたら溶けてしまいそうな気がする。

そんな人いっぱいいるんじゃない?とよく言われるが、全然いない。
周囲は面白がって、その世代のおじさんを紹介してくれたりするが、私の好きなタイプの人が来たことが無い。
いわゆる「イケオジ」みたいな人が好きなんじゃ全然ないのだ。

そんな日常の中でも時には素敵な人に出会って、幸福にも付き合えることがある。
でもそれが上記の6つを満たすことは、まずない。
特に3と5が難しい。
だから、いつも切ない思いをする羽目になってしまうのだ。



一番最初に片想いしていた60歳の人は、いくらせがんでもキスもしてくれなかった。腕を組んで歩いたり、頭を撫でてくれたりはするが、「あなた、早くもっといい人探しなさいよ」とばかり言われた。
ある夜、都内の某老舗有名ホテルのバーで2人で顔を寄せて飲んでいる時に、バーテンダーが「失礼ですが、お部屋の方はもうご予約済みでしょうか?」と聞きに来たことがあった。
私は(ホテルのバーってこんな踏み込んだことを聞いてくるんだ)と内心驚いた。
でも(こんなに年が離れていても、ちゃんと恋愛関係に見えるんだ)と思って嬉しかった。
もう心の底から(お部屋を取ってください‥‥!)と彼に目で訴えたが、彼は言下に「いや、泊まらないよ」と断ってしまった。
3と5の他に6もだめだった。セックスにも至らなかった。

また、その人よりはだいぶ若かったが、彼が入ってくるだけで周りが明るくなるような人を好きだったこともあった。
最初に会った時から、ものすごい勢いで誘って来てくれる人だった。
てっきり明るくて優しい人なのかと思ったら、全然甘えさせてくれないタイプだった。
「あなたはお子ちゃまだからな」が口癖で、私が頭に来て「私のことが嫌いならもう連絡して来ないで」と言うと、「相手に自分のことが好きかどうか聞くのは愚の骨頂。そんなの自分で判断しなさい」
と言われてしまった。
そんな説教をしてくるわりに、私が連絡しないでいるといつも彼の方が連絡をしてきて、私はまた折れてしまう、ということの繰り返しだった。
3と5が全然だめだった。

その人と同い年だが、もっとずっと物静かで大人っぽい人もいた。
でも彼は、私をしょっちゅう食事に連れて行ってくれていたおじさんの大学時代の後輩だった。
ひょんなことから3人で食事をする機会があり、私は一目見た時から彼を素敵な人だと思ってしまった。食事中も彼と目が合うと独特の空気を感じ、途中で二人きりになった時はちょっと危うい雰囲気になってしまった。
でも、その先輩の方のおじさんに対する遠慮もあり、私から彼に連絡をすることは躊躇われた。
すると数日後の真夜中、彼から電話が掛かってきた。
私は嬉しさを抑えられなかったが、彼がなんだか事務的な話ばかりするので、
「そんな話をするためにお電話くださったんですか」と聞いたところ、
「‥‥いえ、本当はあなたに電話したかっただけです」と言ってくれた。
1から5まで満たしている素敵な人だったが、いろいろ障壁がありすぎた。

前述のように、会社の同僚などが紹介してくれる人は全然好きじゃないタイプばかりだったが、一人だけ最初から好感をもった人がいた。
30歳以上年上で、無精髭を生やしていて、服も、そういうお洒落なのかどうかわからないがボロボロだった。飄々としてつかみどころが無さそうな人だったが、面白そうな人だなと思った。
5、6ヶ国語を話して、世界中に友達がおり、日本人っぽくない人だった。
みんなで2軒目に行った薄暗いバーで二人きりで話したら意気投合して、すぐデートするようになった。
彼の家に初めて行ったら、自分はあんなボロボロの外見のわりに、ものすごく洒落たインテリアだったので驚いた。
そして、とても広いベッドで、極めてノーマルなセックスをした。
ところが、次に会った時に彼が「あなたMでしょう」と言ってきた。
「僕もMなんだよ。困ったね」
そう、実は私も全く同じことを思っていたのだ。
よくよく考えると彼は1から6まで違っていたかもしれない。
でも面白い人だったから、友達だったら今でも仲良くできたかもしれない。



結局、上に書いた人達とは全然うまくいかなくて切ないことばかりだったが、今こうして離れて眺めて見ると、それぞれの人が個性的で魅力的だったし、貴重な経験をしたのかもしれないな、と振り返れるようになった。
私の過去は過去で、それなりに楽しかったのだな。







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