彼女は探検家である。
彼女は探検家である。
その姿はさながら熟練者とも思える動きであり、私たちでは通ることのできない隙間をいとも簡単に潜り抜け、針の穴を通すが如く繊細な手つきで「宝」を発掘する。
彼女の探し求める宝は探そうとして見つかるものではない。それはある特定の条件が重なった場所にのみ出現し、我々の理解の範疇を越える。
宝の価値は本人が決めるものだ。私から見れば意味のないことに思える夫君のスケジュール帳も(このスケジュール帳には夫君の1日の記録が記されている。スケジュール管理だけでなくその日の気づきや学びと実に多種多様のオンパレードだ。もちろん私との蜜月の日々も記録されている。勝手に読むと怒られる)、夫君からすれば宝物である。
もちろん彼女が探し求める宝も、私からするとただのゴミであり、見つければ即破棄を考える代物である。そんな彼女は今日も今日とて探検し、お目当ての宝を発見したようだ。
…ふむ。ホコリは美味しいかね?我が娘よ。
ーーー0歳11ヶ月の記録より
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