見出し画像

父を思い出して、笑顔になれたこと

新年が明けたばかりですが、私は最近、次の年末年始のことをよく考えるのです。その考えることとは、娘のこと。

今年の4月には高校3年生になる娘。高校卒業後は県外の大学に進学をしたいと言っているので、来年の4月には家を出る予定です。となると、次の年末年始は一緒に暮らす最後の年越しになるのです。

今でさえ、そのことを考えると込み上げてくるものがありますが、次の年末年始になったら、私は些細なことで涙を流してしまうかもしれません。太陽のような、花のような存在が側にいなくなってしまうなんて。

年明けからこんな風に考える時間が増えていますが、昨日、今年の初仕事に行ってきました。その帰り道、ふと父のことを思い出したのです。私が帰省した時の父の笑顔が浮かびしました。

私が幼いころの父のイメージは、頑固で言葉少なく冗談すら言わない人。いつも眉間にしわを寄せ、険しい表情ばかり。行儀が悪いことをすると、怒号が飛んできました。


しかし、私が親元を離れてから、ときどき帰省したときの父のイメージは、笑顔。特に、私が富山に引っ越してからは表情が違って、穏やかで見守るような笑顔でした。

娘を連れて帰省した時は、とても嬉しそうな表情をしていて、娘も「おじいちゃん大好き」と言って懐いていました。その時の父を見て私は、

「孫が可愛いんだなー。孫には優しくなれちゃうんだなー。」

くらいにしか思っていませんでした。

でも、今考えると、娘家族に対してとても温かな笑顔を向けていてくれました。

夫は私の両親に結婚の挨拶をする時、とても緊張したそうです。なぜなら、私が実家で暮らしていたときの父について話をしていたからです。しかし、夫は父のことをこう言います。

「初めて会ったときは凄い眼力だったけれど、初めて会ったときからお父さんは俺に優しかった。」

父は娘が選んだ人を家族として温かく迎え入れてくれたのかもしれません。娘が産んだ子どもがとても愛おしかったのかもしれません。

父の笑顔を思い出していたら、私はハッとなりました。

「もしかして、父にとって私は、太陽のような、花のような存在だったのかも。」

言葉少なく、自分の思いを伝えることが不器用だった父ですが、私のことを大事に育て、父なりに可愛がっていてくれたんだな、と思いました。

独身の頃に帰省した時は、自分の都合で帰省して、地元の友達と会う約束を優先して、自由気ままな私でした。それでも小言も言わず黙っていた父。感謝であり、尊敬します。

来年私が「寂しい、寂しい」なんて言っていたら、娘も親元を離れてから心置きなく暮らしていけないですね。私は両親のお陰で、心置きなく暮らすことができたので、「寂しい、寂しい」なんて言っていられませんね。

これからも太陽のような、花のような娘と暮らす日々を楽しみながら、そして、娘にとって家が拠り所となるように、私もいつまでも笑顔と共に暮らしていきたいと思います。


そう思えたのも、亡き父を思い出したからかもしれません。




ヘッダーはあまのこさんのイラストをお借りしました。ありがとうございました☆彡

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?